2023年2月5日
藍染の工房見学レポート 鴻巣店
こんにちは。
いせや鴻巣店チーフの大野と申します。
前回のブログでも、少し触れましたが、2023年1月31日(火)に草加市にある「藍染工染色工芸」様に工房見学に行って参りました。
住宅街の中にあり、外から見ると、中で藍染が行われているなんて想像できませんでした。
実際に「藍染」についてのお話を聞かせて頂いたり、工房や商品を見せて頂いたり、藍染を体験したり…
とても濃い時間を過ごさせて頂きました。
今回は、学んできたことをレポートさせて頂きますので、このブログを読んで、興味のある方は是非、いせや呉服店に遊びにいらして下さいね。
藍染の魅力
実際に工房の大澤様からお話を聞かせて頂き、学んだことは、「藍の効果・効能」の凄さです。
「防虫」「殺菌」「消臭」に特化していることはもちろん、中国医学では様々な病気に対して使われてきました。
また、戦国時代に武士が鎧の下に藍の着物を着ていたそうです。
武士が「勝って帰りたい」と、藍を身に付けていたことから。「褐色(勝色)」(※かちいろ)「勝紺」(※かちこん)という言葉も生まれたそうです。
そして、藍染は薬品を一切使用していない為、とても体にいいことも魅力のひとつです。
大澤様は状態を確かめるために、舐めることもあるそうですよ。
どんな味がするんですかね?
藍の歴史
藍は人類最古の染料です。
江戸時代後期になると、「ぜいたく禁止令」にも関わらず、「織り」「染め」「柄」と多彩になりました。
染め屋は紺屋と呼ばれ、藍染が主体でした。
藍染は庶民の労働着にも利用され、暮らしの基本色となりました。
そして外国の方がこの藍染を「ジャパンブルー」と呼ぶようになりました。
蒅(すくも)とは?
蒅とは、植物染料のひとつで、藍染めの染料です。
藍は水に溶けない性質ですが、発酵させ可溶化することで染料として使用することが出来ます。
蒅が入っていると、「本藍染」といわれるそうです。
入っている量が少量でも、「本藍染」と呼ばれるそうですが、「藍染工染色工芸」様では、100%蒅を使用しているそうです。
なんと日本でここだけだそうです。
また、天然藍と科学藍を見比べさせて頂きましたが、色も全く異なり、驚きました。
牛革と合皮のように、天然藍は寿命が長く、使用すればするほど味が出てくるのも魅力だそうです。
藍染体験
そして最後に藍染体験をさせて頂きました。
まず、白い布に輪ゴムや割りばしを施して染め方を決めます。
どう輪ゴムを巻くか、割りばしで挟むかによって、染まり方が変わります。
完成したら実際に藍で染めました。
合計4回、漬けたり出したりを繰り返します。
染める度に藍の色が濃くなっていくのがおもしろかったです。
その後水ですすぎ、乾かしたら完成です。
どんな風に染まるのか想像したり、実際に染まったものを開いたり、とても楽しい経験をすることが出来ました。
実際に私が染めたものです。
描いていたイメージ通りにはならず、奥の深さを改めて学びました。
工房見学
そして、実際に染める前の型紙を使用して、のりで伏せていく所を見せて頂きました。
まず、はけを使い型紙の上から、黒いのりを伏せます。
のりを伏せた場所は、実際には染まらないので生地の色のままになります。
のりで伏せていない場所は、藍で染まります。
この職人さんは、なんとこの道30年だそうです。
とても簡単そうに作業をされていますが、実際にはとても難しい作業です。
また、この工房は全員で4名だそうです。
わずかな人数でこの細かい作業を繰り返し、素敵な藍染のお着物が完成していくのだと、心から尊敬しました。
今回学ばせて頂いたことを踏まえて、今後もたくさんの方に藍染の魅力をお伝えしていきたいです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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