2023年4月20日
染めの着物と織の着物の違いについて
こんにちは(^^)FURISODE BASE いせや川越店 酒井です。
新年度になり段々と落ち着いてきたのではないでしょうか?
季節の変わり目で日中は暖かく、朝晩は肌寒いので体調管理には十分に気を付けてお過ごしくださいね。
さて今回は「染の着物」「織の着物」についてお話をしたいと思います。
「染めの着物」「織の着物」という言葉聞かれたことが有ると思います。
着物は製造過程から「染め」「織」の2種類に大きく分けることができます。
いせやグループのブログを読んでいただいて、今まで登場している振袖や訪問着・
大島紬や結城紬などの着物も「染め」「織」に分けることができます。
今日は着物の「染め」「織」についてお話しさせていただきます、これを知ると
フォーマルな着物と普段着の着物も知ることに役立ちますよ。
染めの着物
染めの着物とは染める前の糸を白生地として反物を織り上げ、白生地の上に模様を手描きしたり
型を用いて染め上げていく着物のことで、「後染め」と言われます。
振袖・留袖・訪問着・色無地などフォーマルな着物は後染めが多いのですが小紋など
普段着も染めています。
後染めの二大産地
京友禅 江戸時代(1700年頃)に活躍した宮崎友禅斎が確立したといわれる友禅染めが
京都では古典柄の華やかな柄に刺繍や金箔を用いて日本を代表する着物のひとつになりました。
今でも京都市内で多く染められ、振袖や訪問着、色無地や小紋などなじみの深い商品が揃います。
加賀友禅 時を同じくして宮崎友禅斎は金沢でも活躍します。金沢では加賀百万石の武家文化と溶け込み
多くの名工が生まれています。加賀五彩と言われる臙脂(えんじ)・藍・黄土・草・古代紫を基調として
刺繍や金箔を用いず、「外ぼかし」「虫食い」と言われる技法を駆使して、自然の息吹を感じさせる
加賀友禅が完成します。
織の着物
織の着物とは反物を織る前に糸の段階で糸を染め上げてから織り
織り方で模様を表現する着物で「先染め」と言われます。
紬・紗・上布・お召など普段着としてお召いただく着物が多いねですが
国の重要無形文化財に指定されている織物も有ります。
先染め着物ならではの魅力 「絣」
インドが発祥とされる絣の技術は東の果てである日本で驚くべき発展を遂げました。
絣とは生地を織る前に糸の段階で染めた糸を組み合わせて表現した柄のことで、
白生地に筆や型を置いて文様を表す後染めは加工の自由度が高く、様々な文様を
表すことができますが、糸の段階で染めておく先染めは作り出せる文様に手間や
コストの観点から大きな制約を受けます。
例えば曲線や多くの色を使う複雑な文様を表すのは苦手です。
飽くなき人間の美意識と熟練の職人さんがいて成し遂げる最高の染色技術なのです。
紬の良さは素材そのものが染め抜かれており、糸自体が染まっているので
後染めの生地と異なり、焼けに強く生地が擦れても仕立て替えて裏側を使えるなど
着物としての寿命も延びます。
お召
御召縮緬ともいわれ生糸を精練し、その絹糸を「先染め」してから織り上げます。
縞お召、絣お召、無地お召、風通お召など種類も豊富で軽くてしなやかな御召縮緬の
風合いは着物通の方に根強い人気があり、ぜひ一度は味わっていただきたいお着物です。
今回ご紹介した「染めの着物」「織の着物」以外にも
着物にはいろいろな分類ができます。「合わせ」「単衣」「夏物」など季節による合わせ方なども
フォーマルやカジュアル以外にも知っておいてください。
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