2023年5月18日

琉球紅型とは 深谷本店

皆様こんにちは。深谷本店の小林です。
最近は蒸し暑い日が増えてきましたね。水便補給を忘れずに、体調に気を付けてお過ごしください。

 

今回は琉球紅型についてお話させて頂きます。
4月にいせやスタッフで沖縄の紅型工房に社員研修に行きました。
紅型作家の中には、かつての琉球王朝士族に仕えた紅型三宗家と呼ばれる工房を持つ作家がいます。
知念家、城間家、沢岻家がその紅型三宗家と呼ばれています。
今回の社員研修では城間家に工房見学に参加させていただきました。
その際に学んだことを含めてお話します。

 

琉球紅型とは?


琉球びんがたは、沖縄県首里市周辺で作られている染織品です。その起源は14世紀から15世紀の琉球王朝時代にまで遡り、王族や士族などの婦人が礼装として着用していました。

 

色鮮やかな染色模様の「紅型(びんがた)」と藍色だけを使用した藍染め模様の「藍型(あいがた)」に区別されます。また、それぞれの型も技法により、型紙を使用する「型付け」とフリーハンドで模様を描く「筒引き」に分かれています。型付け染めは着尺(きじゃく)や帯、筒引き染めは引幕や風呂敷などの染織品が作られてきました。

 

琉球びんがたの特徴は、南国ならではの豪華な色合いと大胆な色使いです。模様は古典的な柄から近代的な柄まで多種多様で、沖縄の自然には存在しない模様も多く含まれています。
特に古典柄は、日本本土をはじめ中国や東南アジアの影響を受けた模様も少なくありません。色鮮やかな琉球びんがたは、沖縄の自然に融合しながら、先人達により受け継がれる神秘的な染め物です。

 

染め方の工程は?


1.型彫り(カタフイ)
紅型の型紙には「白地型」と「染地型」というものがあります。
白地型は、模様部分を残して型紙の地の部分を切り落とした型紙で、染地型はその反対です。
シークという小刀を使って豆腐を乾燥させた「ルクジュー」を下敷きにして掘っていきます。

 

2. 型付け(カタチキ)
型付けとは型紙を布地に置き、染めない部分をへらで糊づけする工程です。
防染糊は天候や湿度の影響を受けやすいため、調合も難しいため染の出来に大きく左右する作業と言われています。
筒描きという技法の場合は筒に糊を入れ、少しずつしぼり出しながら、防染する部分に糊を置いていきます。
一般的には着物や帯には型染、風呂敷などには筒描きで染めることが多いようです。

 

3.色差し(イルジヤシ)
色を差すことを「イルクベー(色配り)」と言います。
顔料と天然染料を用いて、赤系の暖色系から染めていきます。
顔料は生地に浸透しにくいので、奥まで刷り込むため二度刷りを行います。
刷り込み用のすり筆には、沖縄の女性の黒髪が使われています。

 

4.隈取り(クマドウイ)
染色した部分に「隈取り」という技法を使って、ぼかしを入れていく作業です。
これは琉球紅型特有の技法と言われています。
色差しの色によって隈取りする色は決まっています。
この隈取りを行うことにより模様に立体感がでます。

 

5.糊伏せ
防染糊を模様の上に塗り、地染の防染を行う作業です。
「ビンウシー(紅押さえ)」と呼ばれています。
模様の防染効果だけでなく、生地の白場や文様の白場を出す意味もあります。

 

6.地染め
紅型は顔料、染料による刷毛引きの手法で、藍染めの場合藍壺に浸けて地を染めます。
地色には黄色地、葡萄地、緋色地、金黄、紺地、水色地などありますが、黄色は王朝時代、一番位の高い色とされていたそうです。

 

7.水洗い
一通り染色したら、糊や余計な染料を落とすため水洗いします。
ものによってはこのあとまた型附けや糊伏せの工程を行うこともあります。
紅型は染め上がりまで、ものによっては数カ月かかるそうです。

 

紅型の魅力は?


紅型の最大の魅力は配色と彩度の強さで、これは日本全国の染めで群を抜いた華やかさです。
南国の強い光に負けない染色を目指したことから生まれたという紅型の色は、一度見ると目が釘付けになる美しさです。

 

いかがでしたか?ぜひ皆様も色鮮やかな紅型の魅力に触れてみてください。

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