2024年7月1日
着物のカビ対策はどうすればいい?深谷本店
皆様こんにちは、いせや深谷本店の小林です。
今回は湿気の強い今の時期には特に気を付けたい『着物のカビ対策』についてお話させて頂きます。
着物をカビから守るためにやるべきことはいくつかあります
・着用後にすぐにしまわない
・たとう紙に包んで保管する
・除湿剤を入れる
・定期的に虫干しをする
・桐タンスや桐の衣装箱に入れる
・保管に便利なグッズを活用する
お着物はお洋服と違って大切に保管しておけば次の世代もまたその次の世代も着て頂けるものです。
また、カビが生えると次着るときにクリーニングが必要になり、思わぬ出費に繋がることも…
そんなことにならないように正しい保管と対策をしましょう!
どうしてカビが生える?
着物にカビが生える原因は、日本の気候と着物の生地の性質にあります。
日本は高温多湿な気候なため、カビが繁殖しやすい環境だと言えます。
また、着物自体にも湿気がこもりやすい原因として、染色にする際に使われる「地糊(じのり)」があります。
地糊には水分を吸収する性質があるため、着物が湿気を吸収しやすくなっています。
また着物に使われる絹はカビのエサとなるたんぱく質が70%以上で構成されており、カビが繁殖しやすいものと言えるでしょう。
そして、食べ物や人間の髪の毛・皮膚などもタンパク質でできています。
着物に付着した汚れを放置することもカビを発生させる原因になります。
カビ対策のポイントは?
①着用後にすぐしまわない
着物を着た後は体から出る熱や湿気を含んでいます。ですので、脱いだ後はすぐにしまわずに、風通しがよく直射日光の当たらない場所で半日~1日程度陰干しをして湿気を飛ばしましょう。
洋服用のハンガーだとシワが取れにくいので、着物ハンガーか衣桁を使うのがオススメです。
②たとう紙に包んで保管する
たとう紙は着物を湿気から守ってくれる役割があります。着物は一枚ずつたとう紙に包んで保管しましょう。
しかし、たとう紙はずっと交換しないで保管してしまうと、変色したり黄色い斑点が出てくるようになります。これはたとう紙がもう湿気を吸えなくなっているサインになっており、ここまで放置していると着物にカビが生えている、又は生えかかっている事があります。
少なくても年に一度は交換するようにしましょう。
③除湿剤を入れる
収納スペースに湿気がこもるとカビが発生することがあります。 カビは「温度」「湿度」「栄養分」の条件が揃うと繁殖しやすく、湿度60%以上で活発に活動するため、除湿剤を使用して湿気を取り除きましょう。
④定期的に虫干しをする
虫干しには、適した時期ごとに名前がついています。
・土用干し:台風の前後を避けた7月下旬から8月上旬に、梅雨による湿気を飛ばす
・虫干し:9月下旬から10月中旬に、夏の虫を払って衣替えする
・寒干し:2月ごろに、冬の湿気を飛ばす
この時期のなかでも、湿度が40〜60%、気温20℃以下の日が理想です。
空気が乾燥し、晴れの日が続いているときに行いましょう。
前日が雨のときには空気中に湿気が溜まっているため、おすすめできません。
⑤桐のタンスに入れる
桐は、透湿性が高く、通気性も優れているため、大切な衣類や貴重品を湿気によるカビや虫喰いから保護する事ができます。 また、防湿性という観点からも日本特有の高温多湿の気候風土には最も適しています。
桐のタンスや衣装箱がご家庭にある場合には活用しましょう。
⑥着物の保管グッズを活用する
今はご自宅に桐のタンスがない、置くスペースがないご家庭も多いと思います。
そんな方には着物の保管に適している便利グッズ『着物キーパー』『帯キーパー』がオススメです。
きものキーパーとは着物を入れるジップロックのようなもので、きものを紫外線や湿気から守ってくれる役割があります。
きものキーパーに入れておけば5年間何もお手入れする必要は無く、桐のタンスが無くてもどこでも保管することができます。
クリーニングもお任せください
当店では、クリーニング専門のスタッフも在籍しておりますので遠慮なくご相談下さい。
皆様のご来店お待ちしております!
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いせやグループは埼玉県深谷市・鴻巣市・東松山市・熊谷市・上里町・本庄市・川越市に店舗がある老舗呉服店です。
晴れの日の着物からカジュアル着物まで、呉服全般を取り扱っているほか、着物のお手入れのご相談なども承っております。
いせや呉服店では「前結びの着付け教室」を開催しております。ぜひお気軽にお越しくださいませ。