2024年7月19日

廣瀬染工場の見学に行ってきました! 深谷本店

岩井半四郎

こんにちは。いせや呉服店です。
5月に社員研修で東京都中落合にある「廣瀬染工場」に伺いました。今回は「廣瀬染工場」についてお話をさせて頂きます。

大正7年の創業から106年目の時を迎え、4代にわたり江戸小紋を今日まで受け継ぐ歴史ある工房です。ご紹介いただいた岩井半四郎さんと一緒に工房見学に行きました。
岩井半四郎

〇工房の雰囲気

工房の門をくぐると、現代の喧騒から離れた、古き良き日本の風情が漂う空間へと誘われます。また緑豊かな庭園が広がり、その中に佇む工房は木々と調和し静寂を守っているかのようにも感じられます。

静かな作業音や職人たちの穏やかな声が響き、染料の優しい香りがふんわりと漂う工房内。
職人たちが丹精込めて染め作業を行う様子は、まさに芸術の一瞬です。
「見惚れる」この一言に尽きます。染められた布地が風に揺れ、明るい日差しが差し込むとたちまち柔らかな色彩に空間が満たされます。
染めに関する道具や素材が整然と並ぶ。その一つひとつに歩んできた時間と江戸小紋への揺るがない情熱が込められているようでした。
廣瀬染工場

〇廣瀬雄一さん紹介

今回の社員研修を快く出迎えてくださった「廣瀬染工場」染職人の4代目廣瀬雄一さん。
江戸小紋の伝統的な技法はそのままに、今までにない柄を組み合わせた粋なスタイルは海外のデザイナーからも大絶賛され、ニューヨークやパリなどの個展にも出演した経験があります。若い着物世代からも多くの支持を得る江戸小紋の先駆者の一人です。

実は彼はウインドサーフィンでシドニーオリンピックの強化選手にも選ばれていたアスリートでした。大学卒業後に家業である染職人の道に進むことを決意。この道23年と聞けば驚くほど、爽やかな雰囲気のお方です。
そんな廣瀬さんの軽快かつ繊細で流れるような動きはどこか波を連想させるようでした。

 

〇廣瀬さんと岩井さんの出会い

半四郎さんと廣瀬さんの出会いは遡ること5年前。半四郎さんが廣瀬さんの商品を大変気に入り、”由美好み”と称しコラボレーションに至ります。

「実はもう私は20年前ぐらいから広瀬さんのことは存じ上げていたのですが、中々きっかけがなく、、。はじめは取引という感じじゃなかったんですけども、やっとこの四、五年前にお取引をさせていただけるようになりました。」

〇廣瀬染工場の江戸小紋の紹介

廣瀬工房の江戸小紋は型の組み合わせが2枚型・3枚型。通常の江戸小紋は1枚の型を使って染めていくが、同じ位置に3度型を置き染めることで柄に奥行きが生まれるため独自の風合いに完成するのが特徴です。より手間をかけ風合いのある作品に仕上げます。

江戸小紋は、遡ると室町時代にルーツを持ち400年以上の歴史がある反物の柄です。古くから愛されてきた染物です。

江戸小紋の命であるのが”型紙”。

廣瀬工房で使用している型紙は「火事になったら嫁をおいてでも型紙を守れ」という言葉と共に4代に渡って代々受け継がれてきました。

しかしどれだけ大切に使っていようと、型紙は消耗していくもの。先代が残していった膨大な数の型紙もいずれは掘り返す必要があります。現在は型紙の彫り手職人が少なくなり、掘り返す修正が難しくなっている現状も伺いました。

そんな中でも、伊勢の方では近年若い女性の彫り手が増えてきているという。”これからどんどん育っていってもらいたい” そう願う廣瀬さんたちが多くの型紙を発注することで彫り手側の技術も互いに守り合い高め合うことを実現させるのだと。

伝統を継承することへのビジョンを熱く語っていただきました。

廣瀬染工場 

〇武家の正装の裃柄から生まれた江戸小紋のなかで最高位の柄「小紋三役」

鮫(さめ)、通し(とおし)、行儀(ぎょうぎ)の模様は「江戸小紋三役」と呼ばれ、ほかの江戸小紋とは別格の扱いをされています。どれも細かな粒で構成されていますが、並び方が違います。鮫は粒が弧を描くように、行儀はお辞儀をするように斜めに、通しは上下左右まっすぐに並んでいます。柄が細かいほど格調があるとされ、これらに紋を付ければ婚礼から茶会まで幅広く着用でき万能の着物です。さらに、落ち着いた紫や藍、紺など、渋めの色みを選べば色喪服としても着用できます。

廣瀬染工場

〇江戸小紋着用シーン
外出着として着る事の出来る江戸小紋は、食事会や観劇等のお呼ばれの場で着る事ができます。準礼装として着て行ける江戸小紋は、入学式やお宮参りなどでも着ることが出来ます。

〇結び

廣瀬染工場の江戸小紋は伝統的な技法はそのままに現代的なデザインを取り入れた作品を展清水・高島開し、日本だけでなく世界中の着物ファンを魅了しています。この度岩井半四郎×廣瀬工房とのコラボレーション商品をいせやにてお披露目する運びとなりました。

江戸小紋の素晴らしさ、着物ファッションの新たな魅力を是非今回の展示会にてご体感くださいませ。

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