2024年12月9日
小寒の時期にピッタリの着物と防寒対策をご紹介! 深谷本店

こんにちは深谷本店の山下です。
小寒から大寒にかけて寒さが厳しくなる時期です。
冬の時期に着物を着ると「寒そう」と思われているかもしれませんが、洋服を着る時と同じように着物も寒さ対策をしっかりすると暖かく着られます。具体的に、着物の防寒をどのようにしているかご説明しましょう。
冬に着る着物の種類
冬に着る着物は、袷(あわせ)とウールの2種類に分けられます。
袷(あわせ)の着物
袷とは、裏地が付いた着物のことです。一枚生地の単衣(ひとえ)とは違い、生地が二枚縫い合わさっているので、冬でも暖かく過ごせます。
袷の着物にはさまざまな格があるため、フォーマルからカジュアルまで幅広い場面で活用できます。TPOに適した格の着物を選びましょう。
ウールの着物
ウールの着物は基本的には単衣で仕立てられています。二枚縫い合わせるとボリュームが出過ぎてしまうからです。単衣仕立てでも保温性は十分で、冬の寒さを凌げます。
シワ・汚れがつきづらい点もウールのメリットです。自宅での手洗いも可能です。
その一方で、虫食いが発生しやすいというデメリットがあるため、保管時には必ず防虫剤を使いましょう。
ウールの着物を着用できるのはカジュアルな場面のみに限られます。冬の普段着として使いましょう。
着物以外の防寒対策
1、道行コート
道行(みちゆき)コートは、着物の外出用コートです。首元が四角く開かれており、額のように仕立てられています。道行コートには「袷(あわせ)」という布が二重に縫われているものと、「単衣(ひとえ)」という1枚の布でできているものがありますが、真冬の寒い時期には袷の道行コートがおすすめです。
道行コートはあくまでも外出用ですので、室内に入ったら脱ぐことがマナーとされています。

2,羽織
羽織は、その名の通りカジュアルに羽織れるジャケットのようなものです。羽織はコートとは違い室内で着ていても問題ありません。(ただしお茶会ではNG)冬ではウールの羽織が暖かく人気となっています。

3,和装コート(外套)
外套(がいとう)は、道行コートよりもさらに冬用の和装コートです。英語では「オーバーコート」と言われています。着物の一番外側に着るコートで、袖周りや背中側もゆったりとした作りになっているため帯や着付けを崩さずに着脱が可能です。ただし、外套は洋服でいるダウンコートやロングコートのような役割ですので、室内に入る前には必ず脱ぎましょう。
4,ケープ・ポンチョ
着物を普段着として着る方や、礼装ではなくカジュアルに着こなす方は、洋服のケープやポンチョを合わせても良いですね。わざわざ和服用のコートを買わずとも、ご自身で既に持っているポンチョなどを代用することもできます。ケープやポンチョは、袖周りがゆったりしたデザインなので着物を着ている時にもすんなり着脱できまです。
5,大判ストールやショールで首元を温める
最後に、うなじを綺麗に見せるために着物を後ろに少しずらして着付けを行います。衿の後ろ側が開くため、うなじから背中の上部がちらっと見えて着物特有の色気を出してくれます。
しかし真冬で首元が開いていると寒く感じてしまいますよね。洋服を着る時にはマフラーを首に巻く方が多いのではないでしょうか。着物ではマフラーではなく、「大判ストール」や「ショール」で首元を温めます。
着物にストールなどを合わせる時には緩めに巻きましょう。首にふんわりと巻くようなイメージで防寒をすると着物とも違和感なく使用できますよ。
インナーを工夫する
真冬に着物を着る時はインナーから工夫するのが一般的です。洋服を着る時にも着ている「冬用のインナー」を着物の下に着ます。「極暖」などと書かれたインナーでも着物の下に着てしまうので周囲には気づかれません。
しかし、インナーで注意すべき点は首元が大きく開いているものを選ぶこと。着物の衿からインナーが見えてしまいます。首元が大きく開いているインナーを選ぶことで極力インナーを見えないようにしましょう。
足元には暖かい素材で防寒
「着物と言ったら足元がスースーして寒そう」という意見もよく耳にします。洋服に合わせる靴下にも冬用のもこもこしたものがあるように、着物の足袋にふわふわした冬用素材のものが存在するのです。
また、「和装用ストッキング」や「和装用タイツ」も販売されています。ポンチョの時と同じく、ストッキングやタイツも和風用をわざわざ購入せずとも、洋服に合わせるレギンスなどを代用しても良いでしょう。
ロンググローブで手先の防寒
着物の特徴として、どうしても袖の部分が大きく開いています。そこからスースーと風が入ってきて寒さを感じる方も多いでしょう。
手先の防寒には「ロンググローブ」を活用しましょう。ロンググローブはその名の通り、腕まで長さのある手袋です。ウール素材のロンググローブを選べばぽかぽか暖かいですし、レザー素材のロンググローブを選べばセレブのようなおしゃれを楽しめます。
ロンググローブも室内では使用しません。これは洋服の時に着用する手袋と同じですよね。
礼装時には着物の素材で寒さ対策
これまでご紹介してきた防寒方法の中には、礼装時には使えないものもあります。例えば、足元の防寒として洋服用のレギンスやブーツを着物と合わせることは結婚式などの正式な場所ではマナー違反となります。
礼装をしなくてはならない正式な場面では、正式な和装用インナーを使用しましょう。
肌着
下履き
裾よけ
肌襦袢
従来と比べて、現在の冬用の和装インナーは素材が工夫され非常に暖かく着られるものも多くなっています。正式な場所に着ていく際には、万が一見えてしまってもマナー違反にならない和装用のインナーで上手く防寒しましょう。
防寒をしっかりして冬でも着物を楽しもう!
今回は、冬の時期に着物を着る時の寒さ対策についてご説明してきました。着物にも、洋服と同じように冬用の防寒グッズがたくさんあります。確かに、洋服に比べると隙間が空いている場所が多い着物は寒く感じるかもしれません。近年では着物でもしっかりと寒さ対策ができるように防寒グッズが工夫されて登場しています。着物の防寒グッズを活用して、真冬でも着物を楽しんで着こなしましょう。

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