2025年4月22日
着物を長く美しく保つために。正しいお手入れと保管の5つのポイント

着物は日本の伝統美を象徴する衣類ですが、その繊細さゆえに保管には特別な注意が必要です。適切なお手入れと保管方法を実践することで、着物を世代を超えて美しく保つことができます。この記事では、着物を長く美しく保つための5つのポイントを、プロの視点から詳しく解説します。

1. 着物を清潔に保つ:汚れの種類と対策
着物を保管する上で、汚れは大敵です。汚れの種類とそれぞれの対策を理解し、適切なお手入れを行いましょう。
汚れの種類
- 汗や皮脂:黄ばみ、シミ、変色の原因
- 食べこぼし:シミ、カビの原因
- 埃や塵:生地の傷み、変色の原因
汚れ対策
- 着用後の陰干し:着物をハンガーにかけ、風通しの良い日陰で数時間干します。これにより、汗や湿気を飛ばし、カビの発生を抑えます。
- 定期的なクリーニング:年に1〜2回は、着物専門のクリーニング店で丸洗いすることをおすすめします。特に、汗をかいた場合や、汚れが気になる場合は、早めにクリーニングに出しましょう。
- 着用後はできるだけ早くクリーニングに出しましょう。
2. 湿気から守る:保管環境の最適化
湿気は着物の大敵です。適切な湿度管理が、カビや虫食いを防ぎます。
湿気対策の方法
- 桐箪笥の利用:桐は調湿効果が高く、着物の保管に最適です。
- 防湿シートの使用:着物と一緒に入れておくことで、湿気を吸収し、カビの発生を抑えます。
- 定期的な虫干し:年に2回、晴れた日に着物を陰干しし、湿気を飛ばします。
- たとう紙:着物一枚ずつを包み、湿気やほこりから守ります。
保管時の注意点
- 保管場所:直射日光や高温多湿を避け、風通しの良い場所を選びます。
- 温度と湿度:温度15~25℃、湿度40~50%を保つことが理想的です。
3. 日焼けを防ぐ:紫外線対策の徹底
紫外線は、着物の色あせや変色の原因になります。
日焼け対策
- 保管場所:直射日光や蛍光灯の光を避け、暗い場所に保管します。
- たとう紙:着物をたとう紙で包み、光を遮断します。
- 保管ケース:光を通さない素材の保管ケースを使用します。
4. 虫食いを防ぐ:防虫対策の徹底
着物は虫にとって格好の餌食です。適切な防虫対策を行いましょう。
防虫対策
- 桐箪笥:桐には防虫効果があり、着物の保管に適しています。
- 定期的な点検:年に2回、虫干しの際に着物を点検し、虫食いの兆候がないか確認します。
5. 畳み方:着物の形状を保つ
着物を適切に畳むことは、シワや型崩れを防ぎ、美しい状態を保つために重要です。
着物のたたみ方のポイント
- 清潔な場所で:ほこりや汚れのない、平らな場所で畳みます。
- たとう紙の上で:着物をたとう紙の上で畳むことで、汚れやシワを防ぎます。
- ゆっくり丁寧に:力を入れすぎず、ゆっくりと丁寧に畳みます。
長期保管には「きものキーパー」がおすすめ
成人式や卒業式などで着用した振袖など、長期間着る予定がない着物には、きものキーパーがおすすめです。
きものキーパーのメリット
- 防虫・防カビ効果:特殊なフィルムが、虫やカビの侵入を防ぎます。
- 湿気対策:調湿効果があり、湿気から着物を守ります。
- 省スペース:コンパクトに収納でき、場所を取りません。
- メンテナンスフリー:虫干しの手間が省けます。
きものキーパーの使い方
- 着物をクリーニングに出し、汚れを落とします。
- 着物をたとう紙で包みます。
- たとう紙ごと専用の袋に入れ、密封します。
まとめ
着物のお手入れと保管は、少し手間がかかるかもしれませんが、これらの対策を行うことで、着物を美しく保ち、長く楽しむことができます。着物の状態に関するどんなことでも、いせやアリオ深谷店にご相談ください。
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いせや呉服店は、埼玉県内に7つの店舗を持つ老舗呉服店です。
振袖や七五三の前撮りにご利用いただけるおしゃれなフォトスタジオ「Komachi」もあります。
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