2025年10月16日
「実は知られていない?帯揚げ・帯締めの正しいたたみ方と保管方法」 深谷本店

こんにちは(^^♪いせや深谷本店の横村です!
着物姿の仕上げに欠かせない、帯揚げと帯締め。色や素材で印象がガラリと変わる、とても楽しいアイテムですよね。
しかし、「使った後、どうやってしまっていますか?」と聞くと、意外と多くの方が「なんとなく畳んでいる」「ケースにギュッと入れている」と答えます。
実は、この帯揚げ・帯締めのしまい方や保管方法を少し工夫するだけで、シワや劣化を防ぎ、次に使うときまで美しさを保つことができるんです。
今回は、知っているようで知らない「帯揚げ・帯締めの正しいたたみ方と保管方法」についてご紹介いたします!是非参考にしてみて下さいね!
1. 帯揚げとは?帯締めとは?まずは基本から
はじめに、それぞれの役割を簡単におさらいしておきましょう。
■ 帯揚げ(おびあげ)
帯枕を包み、帯結びを支える布のこと。
見える部分が少ないながらも、着姿の印象を決める重要なポイントです。
素材は正絹(しょうけん)が多く、しぼのある縮緬(ちりめん)や、光沢のある綸子(りんず)など、季節や用途に合わせて選ばれます。
■ 帯締め(おびじめ)
帯の中央に締める紐で、帯を固定すると同時にアクセントを添える役割。
丸組や平組など形もさまざまで、礼装用から普段使いまで幅広くあります。
どちらも「美しく見せる」「着崩れを防ぐ」という大切な働きをしており、正しいお手入れが長く愛用するコツです。

帯揚げの正しいたたみ方:ふんわりと、折り目をつけすぎないのがコツ
帯揚げは、絹の柔らかな風合いが魅力です。強く折りすぎたり、無理に畳んだりすると、次の着用時にシワが目立ってしまう原因になります。
帯揚げの「三つ折り」たたみ方
帯揚げは、幅が広い布なので、タンスや収納ケースのサイズに合わせて**「三つ折り」**で畳むのが基本です。
- シワを軽く伸ばす: まず、帯揚げを広げ、手のひらで全体を優しくなでるようにして着用でついたシワを軽く伸ばします。
- 中心で二つ折りにする: 帯揚げを縦方向に、端と端を合わせるようにしてふんわりと二つ折りにします。(帯揚げを半分にカットしたような状態です)
- 三つ折りで長さを整える: 二つ折りにした状態から、さらに端を内側に折り込み、タンスの幅に合うように長さを三等分にします。
- 完成: 無理にプレスせず、空気を抜くように軽くたたんだ状態で、たとう紙や引き出しに収納します。
- ポイント: 結び目やシワが気になる場合は、当て布をして低温でアイロンをかけると美しさが戻ります。ただし、金糸・銀糸の入ったものはアイロンを避けましょう。

帯締めの正しいたたみ方:房(ふさ)を傷めないのが最重要
帯締めは、絹糸を組んで作られているため、シワよりも**「房(ふさ)」の傷みや「組み目」の緩み**に注意が必要です。
帯締めの「とぐろ巻き」または「重ね巻き」
帯締めは、帯揚げのようにきっちり畳むのではなく、緩やかにまとめて収納するのがベストです。
- まっすぐに伸ばす: 帯締めを広げ、着用でできた結び目の癖を軽く手で伸ばします。
- 房を守る: 房の部分を折り曲げたり、強く引っ張ったりしないように、別の紙で包むか、傷つけないよう注意して避けておきます。
- 丸くまとめる(とぐろ巻き): 帯締めの本体部分を、外側から内側へ、緩やかな円を描くように**「とぐろ状」**に巻きつけていきます。きつく巻く必要はありません。
- 房を添えて収納: 巻き終わった本体に、真っ直ぐにした房を沿わせるように添えて、紙箱や引き出しに収めます。
- ポイント: 房がバラバラになるのを防ぐため、帯締めの専用ケースや、小さな透明な袋に入れてから箱に入れるのもおすすめです。

帯揚げ・帯締めのベストな保管環境
たたみ方と同じくらい大切なのが、**「どこにしまうか」**です。湿気や光、虫は着物小物の大敵です。
| チェック項目 | 理想的な保管方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 湿気 | 通気性の良い場所に、たとう紙に入れる。または桐ダンスにしまう。 | 湿気はカビの原因になります。ビニール袋などの密閉空間はNG。 |
| 光(紫外線) | 日光や蛍光灯の光が当たらない暗所に保管する。 | 絹は光に弱く、黄変や色あせの原因になります。 |
| 防虫対策 | 着物専用の防虫剤を規定量入れる。 | ウールや正絹は虫の大好物。必ず防虫対策をしましょう。 |
| 整理整頓 | 帯揚げは帯揚げ、帯締めは帯締めで分けて収納する。 | 絡まりや潰れを防ぎ、次に使うときに見つけやすくなります。 |
- 定期的な「虫干し」: 年に数回(春、梅雨明け、秋など)、湿気の少ない日に陰干し(虫干し)をすると、湿気を飛ばし、カビや虫食いを防げます。
まとめ
帯揚げと帯締めは、面積は小さいですが、着物姿の印象を大きく左右する「顔」とも言える存在です。
優しく畳み、湿気や光を避けて保管する。
これだけで、あなたの大切な小物たちは、何年も美しさを保ってくれます。次に使うとき、きれいに整った帯揚げ・帯締めがケースから出てきたら、気持ちも晴れやかになりますよね!
この機会にぜひ、お手持ちの帯揚げ・帯締めをチェックして、正しい方法で保管し直してみてください!
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いせやグループは埼玉県深谷市・鴻巣市・東松山市・熊谷市・本庄市に店舗がある老舗呉服店です。
晴れの日の着物からカジュアル着物まで、呉服全般を取り扱っているほか、着物のお手入れのご相談なども承っております。
いせや呉服店では「前結びの着付け教室」を開催しております。ぜひお気軽にお越しくださいませ。