2022年7月23日

あこがれの夏の着物は「絽」からチャレンジ

浴衣と単衣の違いについて・東松山店

こんにちは。いせやスタッフのFです。

楽しげなサマーイベントのお誘いが増えてきた今日この頃。
空模様はくるくると変わり、何かと気ぜわしいですが、皆様楽しく着物ライフをお過ごしでしょうか。

 

今回のブログは、盛夏の着物「」についてお話しさせていただきます。

 

お客様から夏着物のお問合せ

「盛夏に着物で気軽なお食事会に出かけたいのですが、
まず一枚、夏の着物をつくるとしたら、どのようなものが良いでしょうか?」

 

初夏、いせや本店にお見えになられたお客様 M様からご相談いただきました。
よくお話を伺うと、ほかにも歌舞伎や、友人のウェディングパーティーにも行ってみたいとのこと。

 

■いせや
「盛夏用の着物には絽、紗をはじめとして、他にも上布や麻系、小千谷縮、夏明石(明石縮)などがあります。もちろん、浴衣もOKです。その中でどれを選ぶかですが、M様の場合はお召しになられるシチュエーションを考えると、少しよそ行き感のある染の着物のほうがベターですね。ということは、絽か紗がおすすめです」

 

■M様
「そうなのですね。私、夏の着物はまだ浴衣しか着たことがないのですが、絽と紗って何が違うんですか? 」

 

そうですよね、イマイチわかりにくいこの違い。簡単にお伝えいたします。

 

 

夏着物「絽」「紗」について

「いずれも透け感のある素材です。搦み織(からみおり)の一種で、隣り合う縦糸同士が絡みあうように織られるため、その分、隙間があきます。絽は、平織の合間に、定期的に絽目があけられますが、紗は緯糸1本を打ち込むごとに、日本の縦糸を交差させるのが基本。二種類を比べてみると、一般的には次のような感じです」

 

   透け感    紗のほうが透けやすい
   色柄     絽のほうが種類豊富
   生地の種類  絽のほうが種類豊富
   張り感    絽のほうが柔らかめが多い

 

■M様
「なるほど、なんとなくわかりました。では、私はどちらのほうが良さそうですか?」

 

■いせや
「やはり今回、M様にお勧めしたいのは、絽ですね。その理由は……
①着て行くことのできるTPOが広い
② なるべく長い期間で着やすい
③ 種類が豊富で、色柄が選びやすい
というところでしょうか」

 

■M様
「納得です。では、オススメを見せていただけますか」

 

ということで、いくつかの候補をご覧いただいた中で、M様が気に入られたのは下記のような3タイプでした。

 

 

絽の着物3選

A: 小紋調の浴衣(絽)

小紋調の浴衣(絽)

 

夏の元気な日差しに負けない大胆な色柄。色目が濃いため透けにくく、小袋の細帯を合わせて、半衿をつけなくても(=長襦袢は着ないでも)着られます。気取りすぎず、カジュアルシーンでのランチ会などにぴったりです。

 

B:絽の付け下げ

絽の付け下げ

 

光を反射した眩しさを感じさせるアイシーピンクなら、暖色系でも涼やかに装えます。柄もすっきりしているので、帯合わせも楽。合わせる小物は大人の色味で、これ以上甘くならないようにしています。

 

C:絽の訪問着

絽の訪問着

 

抑えたトーンで描かれた水流が、大人な夏の装いを演出してくれます。チラリのぞく辛子色の帯揚が、ポイント高めのコーディネイト。全体の色数を押さえると、より涼しげな印象になります。

 

 

最終的にM様がお決めになられたのは、Bの付け下げ。その理由は……。

 

■M様
「涼を感じさせてくれるのに、やさしさを感じる色で、花柄も雪の結晶を連想させてくれるような感じ。コーディネートもしやすそうですし、落ち着いている分、何度でもあちこちに着て行けそうです」

合わせて、絽の長襦袢もおつくりいただきました。

 

絽の着物を着る際のポイント

ここでちょっと、絽をお召しになられるときのアドバイスです!

夏の着物こそ、中に着るものに気をつけたいもの。というのは、生地も薄く、透け感もあり、さらに薄いお色目だと、中に着ているものがダイレクトに響いてしまうからです。

 

① ショーツなどは、ヒップラインが透けにくいものを身につけるのがベター。

 

② 色の濃い紐など着付け道具は、大汗をかいて色移りしたりすることもあるので、避けたほうが無難です。

 

③ 肌襦袢+裾除け(あるいは着物スリップ)は、透け感防止、着物への汗移り予防のためにも、しっかり身につけます。

 

④ 長襦袢は、着物の色の邪魔にならないように気をつけます。白が無難ですが、着物によっては、あえて少し落ち着かせたいと薄い色目のものをお召しになられる方も。特に、盛夏といわれる7〜8月の前後、6、9月あたりはあまり白々しくならないようにする効果もありますので、うまく活用してみてください。

 

⑤ 6、9月あたりでお召しになりたいときは、半衿や帯揚を絽縮緬にして、「まだ少し早いけど(遅いけど)感を演出するのも有り。

 

⑥着物よりも帯のほうが、ルールがゆるいところがあります。同じ絽の着物をお召しになるにしても、帯次第。真夏感を演出するか、初秋感を感じさせるか、その日のコーディネイトで、思いを表してみてください。

 

⑦帯締は、夏用のレース組が涼しげに見えますが、普通のもの使っていけないことはありません。ただし、できるだけ細め、薄めがベター。ガラス玉の帯留などを合わせても素敵ですね。

 

最後に、参考までに「衣替えカレンダー」も、お載せしておきます。

 

衣替えカレンダー

56月、910月は気候に合わせて自由に着ましょう。

袷を着ていて暑くなれば長襦袢を単衣に、その後着物も長襦袢も単衣にします。

秋はその逆になります。(下記表は目安です)

着物の衣替えカレンダー

「衣替えカレンダー」(『着物手帳』PR現代より)

 

ただし、昔の暦通りのルールでは暑くて無理〜! というシチュエーションも増えてきていますね。
そんなときは下着をかえたり、それでも厳しければ、フォーマル以外は自分で考えて調整してOK。
カレンダーはあくまでも、目安としてください。

 

 

わからないこと、迷うようなことがありましたら、是非、いせやにご相談にいらしてください。
色柄も種類豊富にご用意して、皆様のお越しをお待ちしております。

 

 

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いせやグループは埼玉県深谷市・鴻巣市・東松山市・熊谷市・上里町・本庄市・川越市に店舗がある老舗呉服店です。
晴れの日の着物からカジュアル着物まで、呉服全般を取り扱っているほか、着物のお手入れのご相談なども承っております。

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