2022年7月30日

大島紬で「いざ、着物旅」

大島紬で「いざ、着物旅」

こんにちは。いせやスタッフのFです。

 

「今日も暑いですね〜」
挨拶がわりに口を衝いて出てしまう、今日此の頃。
私は、意識的して風が風鈴を揺らしてくれる音色に、耳を傾けています。
自分の意識をどちらに向けようとするかで、心持ち次第で、身体の感じ方も少し変わってきますよね。

 

さて、世の中はそろそろ夏休みモード。
ということで今回は、「着物での遠出のお出かけ」のお話です。

 

 

旅する着物のオススメは「大島紬」

「着付けも覚えて、やっと着物でお出かけできるようになってきたので、
今年は着物で旅行に行くのが目標の一つなのですが、どんな着物がオススメですか」

 

秋にご旅行を計画されているお客様 Y様から、こんなご相談をいただきました。

 

◼️いせや
「お着物でご旅行! 良いですね〜! ちなみにどのようなところへ?」

 

◼️Y様
「学生時代の友人が住む鎌倉近郊で、どこか美術館などが見られるところへ。そのまま旅館へ泊まって翌日は、美味しいランチをいただいたりして、のんびりと。いま、企画中です。2泊3日くらいできたら良いねと言っていますが、ずっと着物で通すとなると、あれこれ準備や荷物が重くなりそうで……」

 

◼️いせや
「わかりました。着物旅にオススメなのは、大島紬です」

 

◼️Y様
「えー! 大島紬って高級なお着物なんじゃないですか? もったいない!」

 

◼️いせや
「そうですよね、なんかもったいない、が先に立ってしまう感じがしてしまいますよね。でもこれには、ちゃんと理由があるんですよ」

 

 

大島紬が旅に向いている5つの理由

大島紬が旅に向いている理由

 

この理由こそが、
世界三大織物の一つといわれる「大島紬」が長きにわたって愛され続けている理由です。

 

其の一、 軽い

一反が約450gと軽量な大島紬は、旅行鞄に入れて持ち歩くにも助かる軽さ。張り感もあるため着用時、身体に感じる負担は少なく、1日着ていてもとても楽。もちろん絹100%です。

 

其の二、丈夫

細い糸がみっちりと平織(一番安定している織組織)で織られ、しかも打ち込みが強く丈夫なため、親子三代に渡って受け継がれるほどです。

 

其の三、しなやかで、シワになりにくい

「紬」といっても、現在は生糸(節がない絹糸)で織られて泥染めされているため、ツルリ&トロリとした何ともいえない心地良い肌触り。長時間同じ姿勢で座っていても、シワの回復力が高いので、見た目にシワが目立ちにくく助かります。

 

其の四、着くずれしにくい

泥染めされることによって絹糸に、直接タンニン化合物がコーティングされています。それゆえ適度なしなやかさと張りがあり、着付けやすく、着崩れしにくいのも特徴の一つです。

 

其の五、コーディネートしやすい

泥染めにより、深みのある色味が特徴の大島紬。帯や小物のコーディネイトがしやすい色合いのものが多いです。柄行きとしても、特徴的な絣柄が大島紬の魅力の一つですが、よりシンプルな柄行きも増えてきていますので、さらにコーディネイトの幅が広がっています。

 

 

◼️いせや
「ここまでお伝えして、大島紬が旅に向いているというのが、なんとなくでも、おわかりいただけましたか?」

 

◼️Y様
「なるほどーー。ちょっと目からウロコ、でした。
大島紬は高級だから、とっておきの場にしか着られないかなと思い込んでいましたから。
祖母から譲り受けたものと、自分で気に入って求めたものと二枚あるので、
旅のコーディネイトまで具体的に考えてみたいと思います」

 

◼️いせや
「そうですか、お伝えできたようで、良かったです!
また気になることがありましたら、
いせやでもコーディネイトのご相談もお待ちしていますので、いつでも、お気軽にどうぞ」

 

◼️Y様
「ありがとうございます!」

 

 

旅には、何をどれくらい持っていく?

 

大島紬がオススメなのはわかりましたが、実際にはどういったものを持って行けば良いか。着物旅のベテラン、当店「いせや 着付け教室」講師陣に、3泊4日の旅で用意する持ち物について聞いてみました!

 

・着物 大島紬2枚

コーディネイト的には1枚でも大丈夫ですが、一枚を連日着続けると着物への負担が大きいこともあるので、なるべく一日おきに交代で着られるようにしています。

 

・帯 博多の洒落袋帯と半幅帯

大島紬とも相性バッチリの博多帯。ちょっと洒落感を出していきたい日には洒落袋帯(長さは名古屋帯と同じ)で、移動が長い日は半幅帯で。
帯結びは、寄りかかっても大丈夫なようにお太鼓結び。半幅帯の場合は、「貝の口」とか「矢の字」というような、ペタンとした結びがベターです。

 

・帯揚げ、帯締め 各2本ずつ

旅先の気分で決めたいので、普段からヘビロテしている使いやすいものを入れておきます。半幅の帯結びにも使うと、帯結びも少し良い感じに仕上げられます。

 

・履物 1足

とにかく歩きやすいもので、晴雨兼用のものが便利。新しいものが履きたいときは、先に足慣らし、試しておいてから旅にも使うようにします。

 

・長襦袢

長襦袢は簡単に洗えるタイプで、ホテルでざっと洗う場合もありますが、
二部式にして、汗を吸いやすい上だけを2枚持っていくこともあります。
半衿の汚れが気になりそうなら、2枚かけていって、
汚れたら一枚剥がすという裏技も有ります。

 

・肌着、足袋

肌襦袢と裾除けは2枚ずつ。
着たものはホテルのお風呂で洗って干しておけば、ほぼ1日で乾きます。

足袋は、多少伸縮性のあるもので、日数分持っていくことが多いです。
あるいは、足袋カバーで汚れをカバーするようにして、枚数減らすこともあります。

 

・コート類

防寒として必要ではないときでも、チリ除けように薄手を羽織ります。

 

それ以外に、これは便利!という物はありますか?

扇子と、晴雨兼用傘は必ず入れていますね。
それと、是非おすすめなのが大判の「超撥水風呂敷」、これは優れものです!
着物類を包むのはもちろんですが、ホテルで着替える時に衣装敷やたとう紙代わりにしたり。
急な雨天のときには、鞄ごと包んだり、あるいは着物の下半身を包んで簡易雨ゴート代わりにも。さらに、可愛いエコバッグがわりにも重宝します。お気に入りの色柄で一枚ご用意されておくといいですよ。

 

着物の旅でのパッキング スーツケースを持った着物女性

 

持ち運び用のパッキングのコツはありますか?

「とにかく、ズレないようにする!」
この一言に尽きます。

詰める鞄サイズにもよりますが、まずは風呂敷にきれいに畳んだ着物(空気を抜きながら、ぴっちりとたたむのが余分なシワを生まないコツ!)を置き、その上に、帯、肌着類、小物類と載せていきます。鞄サイズによって、着物をさらに半分にたたむ場合は、その合間に小物類を詰めてアンコとして、余分な折れ線を増やさないようにします。

 

 

以上、いかがでしたでしょうか。

もちろん、大島紬でなくてもお気に入りのお着物での旅、いせやが応援させていただきます。

よろずご相談、スタッフ一同、心よりお待ちしております。

 

 

✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼

いせやグループは埼玉県深谷市・鴻巣市・東松山市・熊谷市・上里町・本庄市・川越市に店舗がある老舗呉服店です。

晴れの日の着物からカジュアル着物まで、呉服全般を取り扱っているほか、着物のお手入れのご相談なども承っております。

 

いせや呉服店では「前結びの着付け教室」を開催しております。ぜひお気軽にお越しくださいませ。

>>体験レッスンのお申し込みはこちら

 

 

 

体験レッスン
申し込み

振袖