2023年2月6日
有松絞りについて 鴻巣店
こんにちは。
いせや鴻巣店チーフの大野と申します。
あっという間に2月に入り、時の流れの速さに驚いています。
2023年度の成人式も無事に終え、今は卒業袴選びで店内が賑わっています。
もちろんお振袖や袴だけでなく、いせや呉服店では訪問着や黒留袖など、幅広く取り扱っておりますので、なんでもお気軽にお問い合わせください。
さて今回は、有松絞りについてご紹介させて頂きます。
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有松絞りとは
有松絞りとは、江戸時代のはじめ、絞りの開祖・竹田庄九郎らによって誕生しました。
愛知県名古屋市の有松・鳴海地区を中心に生産される絞り染めの織物です。
旅人が故郷へのお土産にと買い求め、街道一の名産品となったそうです。
有松絞りの特徴
着心地の良さ
絞りの特徴である、凹凸により布が肌にまとわりつくことがありません。
その為、浴衣でもよく使用されています。
そんな有松絞りですが、私も以前、実際に現地で見学してきました。
その体験も含めてもっと詳しく解説します。
名古屋駅から名鉄線で約30分ほど南東にいくと有松絞の産地、有松駅があります。
その有松駅を降りて5分ほど歩いていくと、そこはもう江戸時代にタイムスリップしたかのような街並みが広がります。
また、駅には「有松桶狭間めぐり」とかかれた大きな案内板があり、町全体で有松絞の魅力を伝えようとしてくれる感じがしました。
その町並みは、重要伝統的建造物群保存地区にもなっており、見どころもたくさんです。
ちなみに、有松鳴海絞会館が町中にあり、お土産はもちろん、絞りの体験・勉強もできます。
有松は、慶長13年(1608年)、東海道の鳴海宿と池鯉鮒(ちりゅう)宿の間に尾張藩によって開かれました。
東海道を往来する旅人の土産物として絞り染め(それがいわゆる有松絞り)が考案され、以降、有松絞とともに有松のまちは発展したそうです。
約400年間もの間、発展し、さらにずっと愛され続けているなんてほんとにすごいですよね。
街を歩いていると、なんかほっとする気持ちになります。
東海道約800メートルという長い区間に沿って、広い間口を持つ絞商の主屋や門・堀が数多く見られます。
また、江戸後期から昭和前期までの様々な時代の建物もみられ、全体的にゆったりとした印象の街並みです。
さて、この見学のメインはもちろん、「竹田庄九郎」の工房見学です。
当日は実際、竹田庄九郎の常務にご案内いただき、様々な有松絞の技法を教えて頂きました。
その中でも一番すごかったのは、有松鳴海絞伝統工芸士の松岡清子さんのお話と絞りの実演です。
有松絞の伝統工芸士は30人ほどと少なく、技法もその方にしかできない技法もあるとのことです。
松岡さんは柳絞りという絞りを得意としております。
柳絞りとは、「まず一粒の蜘蛛絞りを所々に加工し、布の先端を所定数に折りたたみながら縦筋を取り、約4mm間隔で上巻きをする」です。
これを読んでもよくわらないですよね。
伝えるのも難しいですが、実際に見ていてもほんとに根気のいる作業だなとしみじみ思いました。
絶対に私はできません!
実際に反物を何枚か羽織りましたが、絞りの特徴である凹凸により、布がべたっと肌にまとわりつくことがなく、つるっとした質感です。
大人の上品な雰囲気をかもしだせるため、最高級浴衣として最近人気が出ています。
最後に、有松絞の反物を仕入れました。私が思っている以上にいろいろな種類の絞りの技法、なによりもいろいろな色があるのだなと思いました。
ぜひ、私が選んだ有松絞を実際に羽織ってみてください。
実は見学の最後に、当社いせや呉服店社長と竹田庄九郎様社長とちょっとしたイベントがありました。
それは絞りの着物ファンを増やすためのパートナーシップ契約を結ぶということです。
共同宣言にお二人がサインと判子を押し、お互い握手を交わした瞬間は感動しました。
私もよりいっそう、絞りの魅力を皆様に伝えたいという思いが強く芽生えました。
私ももっと、産地の現状を知り、学び、着物のファンを増やしていたいと思っております。
以上、私が実際に有松絞の見学に行った時の体験をもとに解説させていただきました。
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