2023年3月2日
袋帯と名古屋帯の違いは?深谷本店
袋帯と名古屋帯の違いは?深谷本店
皆さんこんにちは。深谷本店の小林です。
3月に入り、だんだんと春の暖かさを感じられる日が増えてきましたね。
そして明日は「上巳の節句(桃の節句)」で、一般的にはひな祭りとして知られ、女の子がお祝いされる日ですね。
小さい頃私の実家でも、この時期にひな人形が飾られていたのを覚えています。
ひな人形は女の子の身代わりとなって守ってくれる役割があり、その起源は約1000年も前までにさかのぼるそうです。
女の子がいるご家庭では、ぜひご家族皆様でお祝いをしてみてはいかがでしょうか?(^^)
さて今回は、袋帯と名古屋帯、それぞれの特徴や活用シーン等についてお話させて頂きます。
帯について知りたい方はぜひ参考にして下さい。
袋帯とは
袋帯は、帯の中でも格式の高い帯として位置付けられている帯。
名称の由来は、表地と裏地に異なる2枚の生地を袋状に縫い合わせて仕立てていることからきています。
一般的に格式張った式典やお祝いの席で使われることが多く、金色や銀色の豪華な模様や、おしゃれ帯として使えるワンポイントの柄など、種類は様々。
幅広い用途で使えることから、帯の中でも人気があります。
袋帯と混同するのが「丸帯」。
丸帯は江戸時代から使われており、帯の中でも歴史があります。表地と裏地に同じ生地を使うことで、より豪華な印象を感じられる帯です。
しかし丸帯は、帯を巻いた時に重いのが欠点。
幅は70cm、長さは4m36cmほどあり、加えて裏地と表地には豪華な模様の生地を使っているので、重たくなるのは当然でもありました。
そんな丸帯の「重い」という欠点を補うために作られたのが”袋帯”です。
袋帯は丸帯よりも短くスマートにし、裏地には無地の生地を使って軽量化しました。
軽量化によって動きやすくなった袋帯は、後に主流となり丸帯に変わる礼装帯となったのです。
名古屋帯とは
名古屋帯は、結ぶのが難しい袋帯を、より簡単に結ぶことができるよう改良された帯のことです。
簡単に結ぶことができるといっても略式というわけではなく、名古屋帯の中にはきちんとした装いに向いた帯地もありますし、金糸銀糸を用いて豪華な柄が織りだされた名古屋帯などは、セミフォーマルの装いに使われることもあります。
ただ、帯の長さとして「一重太鼓」(背中部分が一重となる帯結び)にちょうど良いため、基本的に名古屋帯は、気軽なおでかけのような普段使いに向いているものが多いようです。
また一重太鼓の「重ならない」という意味合いから、黒やグレーの名古屋帯は服喪のようなシーン(お葬式や通夜・法事などの弔事)に用いられることもあります。
袋帯と名古屋帯の着用シーン
◎フォーマルな場では袋帯
結婚式や披露宴、パーティなどのフォーマルな場面で利用することができるのが、袋帯です。
様々な種類と柄があり、西陣織や佐賀錦などが有名で、金糸や銀糸を多く用いている豪華なものは礼装用としてよく使われます。
準礼装の着物などにも上品に組み合わせることができるでしょう。
現在では様々な素材のものが販売されています。
紬の生地やポリエステル素材の袋帯も販売しており、カジュアルな装いにも利用することが可能です。
また、色無地や小紋などで使うことのできる柄のおとなしいものも販売されています。
◎カジュアルな場やセミフォーマルな場では名古屋帯
素材が織り生地の九寸名古屋帯の場合、染めの九寸名古屋帯よりも使えるシーンは広がります。
金糸銀糸が多く使われた華やかな仕上がりのものは、セミフォーマルな場面で、付け下げや色無地などと合わせて略礼装として着用できます。
吉祥文様や伝統的な柄行など、格調高い意匠性も加わっていれば、きちんとした着物コーディネートに足る帯となります。
金銀糸の量や模様の雰囲気によって帯の格は変わりますので、合いそうな着物を選んでコーディネートに挑戦してみてください。
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