2023年4月22日

「藍染工房」に行ってきました。

皆さま、こんにちは。
いせや東松山店の山崎です。

先日「蛙印染色工芸」さんに行ってきました。

通された2階のお部屋には素敵な藍染の着物がたくさん飾られており、訪問着や小紋、色鮮やかな素敵な着物にしばし見とれておりました。

 

” 青は藍より出でて藍より青し “「青色の染料は藍から取るが原料の藍よりも青い」の意から、
教えを受けた人が教えた人より優れること。弟子が師よりまさっていること、だそうです。一応、参考までに。

 

 

藍染とは植物染料「藍」を用いた染色技法。
用いる植物は日本で主流の“タデ藍”のほか、沖縄の“琉球藍” インドではマメ科の“木藍”など、地域によっても異なるのだとか。
これらから抽出される「インジゴチン」という色素を持つ染料を総称して「藍」と呼ぶそうです。

 

日本の伝統的な藍染は、“タデ藍”という植物を発酵させて染色に使います。

その発色はご存じの通り藍色で、天然繊維(綿・麻・絹)100%の生地と相性がよく、ほとんどが綺麗に染まります。

 

また、色が褪せにくいという特徴を持つため、着物や生活小物にも活用されてきました。

 

タデ藍の葉や種には、ふぐ中毒の解毒や解熱剤として使われるほどの薬効があり、
藍染された生地や衣類は、虫をはじめ蛇も近寄らないほどの防虫効果や、
汗臭さが気にならない消臭効果、着ていると温かい保温効果、肌を守る紫外線防止効果等があるとの事。
良いこと尽くめ。昔の人はそういったことを良く知っていたのでしょうね。
甲冑の中に着るものに藍染を用いたりしていました。

 

 

江戸時代から続く伝統的な藍染めは、「灰汁醗酵建(あくはっこうだて)」と呼ばれます。


タデアイの葉を100日かけて発酵させて「すくも(染料のもと)」をつくり、
それをさらに、藍甕(あいがめ)の中で灰汁(あく)やフスマ、石灰、酒などと共に発酵させ、その液の中で何度も染め重ねるという技法。
「蛙印染色工芸」の一階にはこの藍甕がたくさんありました。

そして、私たちもその甕に3回布を浸してオリジナルのハンカチを染めさせて頂きました。

模様作りもいろいろな方法があります。糸でくくったり、板で絞めたりと絞りの技法は多々ありますが、
体験では輪ゴムでくくったり、割りばしで挟んで、輪ゴムで止めたり。

 

先生に教えて頂きながら、それぞれ楽しく模様作りをさせて頂きました。
甕に浸したあとの空気に触れる時間で色の濃い薄いが変わってくるとのこと。


私は割りばしを使い、一回目、二回目、三回目と割りばしを外し、
その色の違いを見たくて、あえて白い部分を残さず、全部染めてみましたよ。

う~ん、出来上がりは、まあまあでした!

 

寒色でありながら深みと温かみを感じる藍染の色は、世界各国で「ジャパン・ブルー」と呼ばれ、
私たち日本人にとって日本を表す特別な色でもあります。

 

「ジャパン・ブルー」と呼ばれるようになったのは、明治時代。

 

藍染が庶民の間に広まったのは江戸時代で、着物、作業着、生活雑貨に至るまで、
あらゆるものに藍染を用いていましたから、開国後に来日したイギリス人化学者ロバート・ウィリアム・アトキンソンが
あちこちに藍を染料とした青色が多くみられたことが印象に残り、そう名付けたと言われています。

 

その後、明治後期には安価なインドアイや合成染料が登場し、日本国内での生産量が激減。
さらに昭和の戦時中には藍が栽培禁止となり、藍の生産が途絶えてしまう寸前までになったこともあります。

 

また日本が近代化するにつれ、かつて藍染を用いていた着物から洋服へと変化し、
安価な合成染料の需要が増え、藍染製品のニーズは減少したりと、藍染にとっての危機がたびたび訪れています。

しかしそんな中にあっても、全国の藍染職人が伝統や技術を受け継ぎ、藍農家がしっかりと藍の種を守ってきたことで、現代でもその伝統的な藍染を楽しむことができているのです。

「蛙印染色工芸」で染めたハンカチ。本物の藍で染めたものは色落ちしないので、白いものと一緒に洗っても色移りがないとのこと。その通りでした。皆さんも是非、“ジャパンブルー”本物の藍染の着物や製品を手に取ってみてはいかがでしょうか。

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