2023年4月16日
塩沢紬について
こんにちは!東松山店の山崎です。
春ですねぇ、と思っているうちに桜も散ってしまい、今はハナミズキが街を彩っております。花粉もそろそろ落ち着いてほしいところですね。3月のスギが終わって今はヒノキでしょうか。
春の、初夏(ちょっと気が早い?でも先取はおしゃれですよ)の綺麗な色の単衣の着物でお出かけしたくなる気分です。
単衣といえば昔は6月・9月と言われておりましたが、温暖化のせいか
今年は3月から20℃を超える日が数日ありましたよね。そうなると単衣を着て頂いてもよろしいのではないでしょうか。
4月から10月、日によっては11月初めころまで温かい日がありますので、気温に合わせて選んでください。
そんな単衣にピッタリな “ 塩沢紬 ” について一緒に学んで参りましょう。
塩沢紬は、新潟県の魚沼市、塩沢地方で織られている紬です。
紬(つむぎ)とは、紬糸で織られた絹織物で、塩沢紬には生地の表面に細かなシボがあり、そのシボが独特な風合いを生むことで知られています。
シボとは、織り上げ後の湯もみで捻りが戻る力によって生じる、立体的な凸凹模様のことです。
塩沢袖は、職人の手をかけて作り出す独自の製法と質の高さから 「 日本三大紬 」 と称されることもあり、人気の織物です。
ちなみに日本三大紬と称されるものには、結城紬 大島紬 そして、3つめには諸説あり、「牛首紬」「塩沢絣」「上田紬」などがあげられます。
織物は基本的に、たてとよこで糸を織り合わせることで出来ており、それぞれの糸の太さと密度によって織り方を変え、バランスを保っています。
塩沢紬のたて糸には、蚕の繭を製糸して引き出した極細の繭糸である「生糸」と、
生糸に比べて節があり玉繭からできた「玉糸」が使用されており、
よこ糸には蚕の繭を煮てやわらかくした真綿からできた「真綿糸」が使用されています。
玉繭とは2匹の蚕が共同で一個の繭にしたものを「玉繭」と言います。
この玉繭は、繭から2本の糸が出るため、複雑に絡み合っています。きれいな糸を作ることがなかなか出来ません。
玉糸を挽き出す「のべ引き」作業は、糸づくりが難しく、職人の経験とカンが大切になってきます。
「生糸」「玉糸」「真綿糸」をバランスよく織り合わせることによって、
塩沢紬がもつ上品な色合いや独特な模様が表現できるだけでなく、柔らかい着心地を楽しめます。
また、塩沢紬の「極細の十字絣・亀甲絣などの絣模様」も特徴的です。
職人が全て手作業で、絣糸を1本1本丁寧に手括り・手摺り込みにより、時間をかけて織り上げます。
人の手による丁寧な作業であるため、完成までに相当な労力と時間を要しますが、
「字絣」や「亀甲絣」といった細かな絣模様まで再現することができます。
職人が手間と時間をかけて作り上げるため生産数は限られていますが、織物としての質は高く、その評価は国内だけではなく世界的に認められています。
昭和50年に国の「伝統工芸品」に指定され、平成21年には「ユネスコ世界文化遺産」にも
登録・指定されるなど、塩沢紬は多方面で高い評価を受けています。
また、塩沢地方には塩沢紬の他にも、「越後上布」「本塩沢」「夏塩沢」などの塩沢織があり、それぞれ独自の特徴があります。
またの機会に一緒にお勉強できればと思います。
それでは、皆さま 最後までお読み頂きありがとうございました。
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