2023年6月27日

絞りの辻が花とは?鴻巣店

絞りの辻が花とは?鴻巣店

こんにちは。
いせや鴻巣店店長の大野と申します。

 

6月も終盤となり、もうすぐ7月ですね。
6月30日(金)から7月3日(月)まで、いせや鴻巣店では大創業祭を開催致します。
1年で1番大きなイベントでございます。
和装小物や、素敵な着物が盛大に展示されておりますので、ぜひ皆様遊びにいらして下さいね。
ご予約はコチラから

 

さて今回は、絞りの辻が花についてご紹介させて頂きます。

是非、最後までお読み頂ければ幸いです。

 

【こちらのブログもおすすめです】

紅型を体験してきました!鴻巣店

袷の着物と単衣の着物の違いは?@鴻巣店

 

 

 

絞りの辻が花とは?

「辻が花」と呼ばれる技法がいつから始まったのかは、残された資料も現存する小袖もあまりにも少ない為、厳密には分かっていません。

ただし、安土桃山時代に豊臣秀吉が明の使者に、帰国時の選別として辻が花を贈ったという記述は残っているので、少なくともこの時代には辻が花という名称は浸透していたと思われます。

その後、江戸時代中頃になると、糊防染による染色技術の発達により「友禅染め」へと徐々に移行しました。

しかし、江戸の中期以降は、突然消えた為、いつしか幻の染と言われるようになりました。

現代において、伝統的な辻が花を当時の技術で完全に再現することは難しいそうです。

私の知っている辻が花を作っているメーカーさんは、全て独自の技法を各社で発展させていったそうです。

 

さて、なぜ「辻が花」と言われるのでしょうか?

実際に「辻が花」という花自体は存在しません。

諸説ありますが、つつじの花で染めていたことから「つつじが花」がなまって「辻が花」になったという説と、2つの道路が十字に交差している場所を表す「辻」に咲いている名も無き花、から来ているという説がしっくりくる説だと思います。

それでは、辻が花を取り扱う全国的に有名なメーカーや、実際にいせや呉服店で取り扱っている辻が花の工房を3社ご紹介させて頂きます。

 

久保田一竹

まずは、だれもが知っている「久保田一竹」です。

一竹辻が花という名称もあるくらい有名ですね。

昨年は、いせや本店に2代目久保田一竹さんにもお越し頂きました。

非常に寡黙そうに見えつつ、商品への情熱は並々ならぬものをお持ちでした。

山梨県の河口湖には「久保田一竹美術館」もあり、着物を超えた「アート」としても楽しめます。

特に着物をキャンバス代わりにして、春夏秋冬の日本の風景・海・宇宙を各80連作で描いた「光響」は見ものです。

一竹辻が花の特徴は、ダイナミックな構図と高度な染色技法による多彩な配色です。

化学染料を使用することによって、色をコントロールしやすくなり、縫い絞った部分への彩色を簡単になった為、イメージ通りの染色がしやすくなったそうです。

 

また、生地も別格です。

一竹工房別織の特殊三重織の生地で特殊金通しを使用していますので、一目で重厚感のある着物だと感じます。

商品には作者が仕立てた証でもある落款が入っており、それもぱっと見「一竹」と読めるので、すぐに一竹の作品だと分かることも安心ですよね。

いせや呉服店では、この久保田一竹の辻が花訪問着を商品として数枚仕入れております。

まずはご覧になりたい方は、いせや鴻巣店にお問い合わせくださいね。

金額は非常に値を張りますが笑

 

翠山工房

次に「翠山工房」をご紹介させて頂きます。

翠山工房は新潟県十日町市にあります。

元々は桐屋(とうや)さんのブランドとして行っていましたが、2019年の桐屋さんが倒産したことによって、株式会社翠山として2019年4月より新たなスタートを切りました。

桐屋で制作してきた着物の図案などは引き続き使用できる為、昔ながらの翠山工房の着物は今でも健在です。

翠山工房の特徴はなんといっても「振袖」です。

私も年に数枚は販売させて頂いております。

 

また、数年前に工房見学もさせて頂いており、辻が花の染色や絞りの仕方などを勉強させて頂きました。

図案作成や引き染め・型付け、実際に手描きをしているところを見させて頂きましたが、どれも一つ一つ職人さんが丁寧に真心込めて作られていたことに感銘を受けました。

一目見ればすぐに翠山工房の振袖だと分かるくらい全体に辻が花が使われており、高級振袖をご所望の方にはぴったりの商品です。

 

むつろ辻が花

最後に、「むつろ辻が花」です。

いせや鴻巣店には、2023年8月に来られることが決まっているメーカーさんです。

10年以上前に一度いせや鴻巣店に来て頂いているということでしたが、今回は息子さんの代に代わって初めての来場です。

6月のきもの旅行で、むつろさんの素敵な辻が花小紋を着ている方がいらっしゃいました。

むつろさんでは、鮮やかな配色のものから優しい色まで、フォーマルからカジュアルまで多岐にわたる作品を展開しております。

生地も上質な丹後ちりめんを使用しており、一竹の商品を重厚とするとむつろさんの商品は繊細と言えます。

 

また技法ですが、染める前に絞って形にしていく500年前からの技法をそのまま使用しております。

「カチン描き」と言われる墨書きを施した辻が花が特徴です。

制作過程で機械の作業が一切なく、すべて手作業で行っております。

しかも絞り作業も全て京都で1から手作りというこだわりをもっており、すべてにおいてメイドインジャパンだそうです。

あと絶対にみてほしいのは「柄付け」!

こんな着物の柄付けがあるんだと思うような作品は見ているだけでも楽しいです。

ぜひ8月を楽しみにしてくださいね。

ご予約はコチラから

 

以上3社を紹介させていただきましたが、3社とも一目でこのメーカーさんと分かるくらい、個性的でオリジナルな辻が花の着物を作っています。

 

最後に、辻が花の技法をご紹介します。

辻が花は、主に、縫い取り絞りや帽子絞り、桶絞り絞り染めの技法を贅沢に施しています。

様々な絞りの技法を駆使し、色の違いや柄を表現しています。

 

縫い取り絞り(ぬいとりしぼり)

模様の周辺を細かく縫い、美しい模様を表現する技法です。

 

帽子絞り(ぼうししぼり)

まず、模様を作る部分に、染色液が染み込まないように芯を入れ、竹皮などで帽子のように覆って糸で巻き付けていきます。

染色する際に、帽子を被せたような状態になることから「帽子絞り」という名前になったそうです。

小帽子絞り・中帽子絞り・大帽子絞りと、模様の直径の大きさによって異なります。

 

桶絞り(おけしぼり)

ヒノキの桶を使って絞る技法です。

染色したい部分を桶の外側にして、染色しない部分を桶の内側に入れます。

しっかりと蓋をしてから、桶ごと染色します。

大きな模様を入れたい時に使用される技法です。

このように、辻が花は様々な絞り染めによって表現される華やかで豪華、且つ繊細、そして立体感のある柄が、長く人気である理由のひとつです。

 

いかがでしたでしょうか。

いせや鴻巣店では、前結び着付教室を、毎週金曜日・日曜日・月曜日午前コース・午後コース計6回開催しております。
まずは、ご見学からのご参加も可能です。

ぜひ着付を覚えて、ご一緒にきもの旅行に行きませんか?

 

着物が自分で着られないけれど、こちらを見て着物にご興味が湧きました方は、是非この機会に無料体験レッスンにお申し込み下さい。
少人数制での開催となっております。

初心者方でも一から丁寧に、且つ分かりやすくお教えさせて頂きます。

無料体験レッスンのご予約はこちら

 

 

✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼

いせやグループは埼玉県深谷市・鴻巣市・東松山市・熊谷市・上里町・本庄市・川越市に店舗がある老舗呉服店です。

晴れの日の着物からカジュアル着物まで、呉服全般を取り扱っているほか、着物のお手入れのご相談なども承っております。

 

体験レッスン
申し込み

振袖