2024年12月16日

着物の家紋について 代表的な家紋や紋の格による表現と種類について

皆様こんにちは!
いせや制作部の小沼です。
今回は、「着物の紋」について詳しくご紹介します!

 

 

 

 

着物の紋とは?


 

紋は、礼装と呼ばれる黒留袖や色留袖、喪服などに入れる「紋章」で、
着物に紋を入れることは、自らの家を背負うという意味があります。

 

着物に入れる紋は通常自分の家の「家紋」ですが、
家紋とは、家系を示す印となります。
家紋の起源は古く、平安時代と言われています。

 

貴族が調度品などに自分の身分を見せる印として
文様をつけたことが始まりだそうです。
その後合戦で敵味方を判別するために使われ、
武家も家紋を持つようになりました。
江戸時代には武士も着物に家紋をつけるようになり
その後武家の女性も女紋として紋をつけるようになりました。

 

明治時代、庶民に名字が許されてからは一般に家紋が広まり、
それから脈々と後世に受け継がれてきたようです。

 

着物の中でも黒留袖は最も格式が高く、主に結婚式で新郎新婦の母や仲人、既婚の近親者が着用します。
一つの家紋の大きさは男性のきもので直径約4cm、女性のきもので約2cmです。

 

代表的な家紋って?


 

 

 

 

家紋は先祖代々その家に受け継がれている紋章で、
300~400種類もあるといわれています。

主なモチーフは草花や鳥、自然、道具、幾何学模様などで、
さまざまな意匠のものがあります。

代表的な家紋としては、桐紋・藤紋・橘紋・桔梗紋・蝶紋・鷹の羽紋・亀甲紋などがあります。
滅多に着ることがない黒留袖などはレンタルする方も多いと思いますが、
レンタルの黒留袖には慣例的に「五三の桐」の家紋が使用されていることが多いようです。

 

紋の格による表現と種類について


 

家紋は、きものの格を上げるアイテムの一つです。
きものには次のような格式があり、
着用のTPOに合わせて着分けることがマナーとされています。

 

・礼装/黒留袖、本振袖、白無垢など
・略礼装/色留袖、振袖、訪問着、色無地など
・外出着/最も着用範囲が広い。付け下げ、小紋、絞り、更紗など
・普段着
・浴衣

 

 

紋には「染め抜き紋」と「縫い紋」の二種類があります。

まず、染め抜き紋には「日向紋」と略式の「陰紋」の二種類があり、
最も格が高いのが「日向紋」です。
日向紋は生地に紋を白く抜いた紋。
黒留袖や喪服など正装に使用されます。
一番なじみのある紋ですよね。

また「陰紋」は、日向紋に準じる格となり、
日向紋と違い紋の輪郭だけを白く染め抜いた紋です。
準礼装で使用されています。

 

 

 

 

次に「縫い紋」。
こちらも日向紋と陰紋があります。
日向紋は柄を塗りつぶすように刺繍が施されますが
陰紋は輪郭のみを刺繡します。
縫い紋は染め抜き紋よりも格が下がり、
準礼装で使用されています。
色無地などに入れる方が多いです。

 

 

 

 

また、家紋の入れ方には、五つ紋・三つ紋・一つ紋の3種類あります。
それぞれ入れる箇所は次のようになります。

 

・五つ紋
背縫い、両後ろ袖、両胸(抱き紋)に紋を入れるのが五つ紋。
染め抜き日向紋を入れます。
黒留袖・黒喪服には必須で、色留袖に入れる場合もあり
五つ紋を入れる場合は第一礼装になります。

 

・三つ紋
背縫い、両後ろ袖に紋を入れるのが三つ紋。
染め抜き日向紋が基本ですが、
染め抜きの陰紋や縫い紋を入れる場合もあります。
色留袖、色無地に多いです。

 

・一つ紋
背縫いのみに紋を入れます。
染め抜き、縫い紋どちらも使われます。
色留袖、色無地、訪問着、江戸小紋、色喪服などに入れられ、
五つ紋に比べて格が下がるため着るシーンは多くなります。

 

 

三つ紋と一つ紋は、略礼装につけるという点では同じですが、
格という点では紋の数が多いほうが格上なので、三つ紋はよりフォーマル、
一つ紋はよりカジュアルなきものになります。

 

最近では訪問着や江戸小紋には紋を入れない場合も多いですが
一つ紋など準礼装で使える紋を入れておくと、
ちょっとした会のある時などは便利です♪
ご自分に一番多い着用シーンを考えて紋の数を決めると良いですね!

 

 

 

まとめ


 

最近では、自分の家の家紋を知らないという方も多いと思います。
紋付の着物を着る機会が昔より少なくなっていますし
嫁入り道具で着物を・・・という家庭も減ってきているのが現状で、
知らないのも当たり前のことかもしれません。

しかし、ご自分の実家や嫁ぎ先の家紋を知ることで
自身や家族のルーツを知るきかっけになるかもしれません。
きっと新しい発見があると思います♪

記念日など特別な日には、ぜひ着物を着て家系や家族のことを思い出してみてくださいね。

 

最後までお読み頂きありがとうございました!

 

 

 

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