2025年5月17日
着物って洗えるの?家で洗っちゃだめ?プロに聞いてみた

こんにちはいせや深谷本店のさゆです。
着物のプロとして20年以上この仕事に携わっている私ですが、最近よく聞かれる質問があります。それが「着物って家で洗えるんですか?」というもの。
たしかに、普段の洋服の感覚でいくと、洗濯機でさっと洗いたくなりますよね。でも、実は着物には着物ならではの“扱い方”があるんです。
今回は、30代〜40代で「これから着物を楽しんでみたい」という方に向けて、わかりやすくお話していきます。
~本日のラインナップ~
・着物って洗っていいの?
・《実例》家で洗って大失敗!?
・プロに任せるとどう違う?
・家でできるお手入れ方法
【そもそも着物って洗っていいの?】
結論から言うと、「着物の種類によって、洗えるものと洗えないものがあります」。すべてが「洗濯NG」というわけではありません。
例えば、「ポリエステルの着物」や「洗える着物」として売られているものは、自宅で手洗いしたり、ネットに入れて洗濯機で洗うことも可能です。一方、「正絹(しょうけん=シルク)の着物」や「絞り染め」「刺繍入り」のようなデリケートなものは、絶対に家で洗わないでください。
水に弱い素材や、縮んでしまう加工がされているものは、自宅で洗うと取り返しのつかないことになる可能性があります。
【実例】家で洗って大失敗!?

以前、30代の女性のお客様からこんなお話を聞きました。
「祖母の着物を譲ってもらったのですが、ちょっとシミがあって…“水洗いすれば落ちるかな?”と思って洗面台で手洗いしてみたんです。そしたら、布が縮んでシワシワになっちゃって…」
このお着物は、絹100%のもので、しかも絞り染め。とてもデリケートな一着でした。
こうなると、もう元の状態に戻すのは非常に難しい…というのが正直なところです。
じゃあどうしたらいいの?
まずは「この着物は洗っていいものか」を見極めることが大切です。
購入時に「洗える着物」と表示されているか、またはプロに見てもらうのが安心です。
特に、親族から譲り受けた着物やリサイクル着物は、素材表示タグがないことも多いので、自己判断せず専門家に相談しましょう。
プロに任せると、どう違うの?
着物専門のクリーニング、いわゆる「丸洗い」は、ドライクリーニングのような方法で、着物を一度も水につけずに汚れを落とします。
また、部分的なシミや汗ジミが気になる場合は「シミ抜き」や「汗抜き」などのオプションもあり、状態に応じて最適な方法で処理してくれます。
費用は安くはありませんが、着物を長く美しく着るための“メンテナンス代”と考えれば納得できるはず。
【家でできるお手入れ方法】

とはいえ、すべてをプロ任せにする必要はありません。着た後のお手入れだけでも、自分でできることがあります。
- 風通しの良い場所で陰干し(湿気を飛ばす)
- 柔らかいブラシでホコリを払う
- 桐箱に保管する【保管方法ベストアイテムを見る】
この3つを習慣づけるだけで、着物の持ちは格段にアップします。
まとめ:わからないときは、迷わずプロへ!
「これは洗えるの?」「これってカビ?」など、少しでも迷ったときは、専門のクリーニング店や呉服屋さんに相談してください。
着物は、ただの“衣類”ではなく、“思い出”や“文化”が詰まった特別な存在。
だからこそ、正しくケアして、長く楽しんでいきましょうね。
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いせやグループは埼玉県深谷市・鴻巣市・東松山市・熊谷市・本庄市に店舗がある老舗呉服店です。
晴れの日の着物からカジュアル着物まで、呉服全般を取り扱っているほか、着物のお手入れのご相談なども承っております。
いせや呉服店では「前結びの着付け教室」を開催しております。ぜひお気軽にお越しくださいませ。