2025年6月15日
夏の着物スタイル! 涼を呼ぶ旬小物で夏を楽しむ 深谷本店

日本の夏は、蒸し暑いけれど、風情がありますよね。花火大会に夏祭り、夕涼み…。そんな夏のイベントに着物でお出かけするのは、格別なものです。でも、「夏に着物って暑そう…」と思っていませんか?
夏の着物をもっと快適に、もっとおしゃれに!
実は、夏の着物は、素材や着こなし、そして何よりも「小物」選びで、驚くほど快適に、そして涼しげに着こなせるんです。今日のブログでは、着物愛好家の皆さんに、この夏ぜひ取り入れてほしい、夏を快適に、そして粋に楽しむための旬の着物小物をご紹介します。
1. 涼をまとう素材の魔法:夏帯と帯締め

夏の着物スタイルを左右すると言っても過言ではないのが、帯です。見た目にも涼しげで、締め心地も快適な夏帯を選ぶことで、体感温度はぐっと変わります。
夏帯の種類と選び方
- 絽(ろ): 透け感のある織り方で、夏の着物の定番素材。見た目にも涼しく、風通しも良いのが特徴です。フォーマルからカジュアルまで幅広く使えます。
- 紗(しゃ): 絽よりもさらに透け感があり、軽やかな印象を与えます。主に盛夏(7月、8月)に用いられます。
- 麻(あさ): 吸湿性、速乾性に優れ、シャリ感のある肌触りが特徴。カジュアルな着物や浴衣にぴったりです。
- 羅(ら): 複雑な組織で織られた、独特の透け感を持つ帯。非常に通気性が良く、夏の最高級素材とされています。
夏帯を選ぶ際は、着物の色柄とのバランスはもちろん、素材の特性を理解してTPOに合わせることが大切です。例えば、お洒落着として麻の着物に麻の名古屋帯を合わせれば、清涼感あふれるカジュアルスタイルが完成します。
帯締め・帯揚げで夏の色を添える
帯締めや帯揚げも、夏らしさを演出する大切な小物です。
- レース組の帯締め: 透け感のあるレース素材の帯締めは、見た目にも涼やかで、夏の着物スタイルに軽やかさをプラスしてくれます。淡い色合いや、涼しげなガラス玉の飾りが付いたものも素敵です。
- 絽の帯揚げ: 絽の帯揚げは、帯に合わせた色合いで季節感を演出します。夏らしい金魚や朝顔などの柄が入ったものも人気です。
- 三分紐と帯留め: シンプルな三分紐に、季節感あふれる帯留めを合わせるのもおすすめです。ガラスや陶器で作られた金魚、朝顔、花火、かき氷などのモチーフは、夏の遊び心をくすぐります。
2. 足元から涼しく、快適に:夏草履と足袋

足元も夏の装いには欠かせないポイントです。涼しげな素材の草履や足袋を選ぶことで、快適さが格段にアップします。
夏草履の選び方
- 麻草履: 麻の鼻緒や台の草履は、通気性が良く、汗をかいてもべたつきにくいのが特徴です。カジュアルな着物や浴衣に合わせると、涼しげな印象になります。
- パナマ草履: パナマ素材は、軽くて通気性に優れ、独特の風合いがあります。夏の普段使いから、少し改まったお出かけまで幅広く活躍します。
- 網代(あじろ)草履: 竹や藤などを編んで作られた網代の台は、通気性が良く、足裏に心地よい清涼感を与えてくれます。見た目にも涼しく、粋な雰囲気を醸し出します。
- 駒下駄(こまげた): 浴衣によく合う駒下駄は、足元を涼しく保ち、歩くたびにカラコロと心地よい音を立てます。
夏草履は、素足で履くことが多いので、肌触りやフィット感を重視して選びましょう。また、雨の日にも安心して履ける、撥水加工が施されたものもあります。
夏用足袋で足元も快適に
- 麻足袋: 麻は吸湿性・速乾性に優れているため、汗をかきやすい夏には特におすすめです。シャリ感のある肌触りで、足元をさらりと快適に保ちます。
- 綿絽足袋: 絽の生地で作られた綿足袋は、通気性が良く、見た目にも涼しげです。普段使いからちょっとしたお出かけまで幅広く使えます。
- レース足袋: 足の甲部分がレース素材になった足袋は、涼しげで女性らしい印象を与えます。お洒落着や浴衣に合わせると、足元から涼感を演出できます。
- 綿麻足袋: 綿と麻の混紡素材は、それぞれの良いところを併せ持ち、肌触りの良さと通気性を両立しています。
3. 日差し対策もおしゃれに:日傘と扇子

夏の強い日差しから身を守りつつ、着物姿をより美しく見せてくれるのが、日傘と扇子です。
和の趣き漂う日傘
- 竹製の日傘: 軽くて丈夫な竹の骨組みに、和紙や麻などの生地を張った日傘は、和装によく似合います。上品な柄や、透かし彫りのデザインなど、こだわりが光る一本を選びたいですね。
- UVカット加工の和柄日傘: 最近では、機能性にも優れたUVカット加工の和柄日傘も豊富にあります。浴衣やカジュアルな着物に合わせて、柄選びを楽しむのも良いでしょう。
日傘は、日差し対策だけでなく、夏の着物スタイルのアクセントとしても大活躍します。
涼を呼ぶ粋な扇子
- 京扇子: 伝統的な技術で作られた京扇子は、骨の美しさや絵柄の繊細さが魅力です。竹や木、紙、絹など様々な素材があり、着物の格やシーンに合わせて選びたいものです。
- 透かし彫りの扇子: 骨に透かし彫りが施された扇子は、見た目にも涼しく、風を通してくれます。上品な香りが付いたものも多く、使うたびに心地よい香りが漂います。
- レース扇子: 女性らしい柔らかな印象のレース扇子も人気です。洋装にも合うデザインが多いので、普段使いにもおすすめです。
扇子は、暑さをしのぐだけでなく、ふとした仕草を優雅に見せる効果もあります。お気に入りの一本を鞄に忍ばせて、夏の着物ライフを楽しみましょう。
4. 見えないおしゃれも抜かりなく:肌着と補整具

着物姿を美しく保ち、快適に過ごすためには、肌着や補整具選びも重要です。
夏用肌着で汗対策
- 麻や綿麻の肌襦袢・裾除け: 吸湿性・速乾性に優れた麻や綿麻素材の肌着は、汗をかいても肌にまとわりつきにくく、さらりとした着心地を保ってくれます。
- 絽の肌襦袢・裾除け: 透け感のある絽素材は、通気性が良く、見た目にも涼やかです。
- 汗取りパット付き肌着: 脇や背中の汗をしっかり吸収してくれるパット付きの肌着は、夏場には特に重宝します。
- ステテコ: 男性だけでなく女性にもおすすめなのが、着物用のステテコです。太ももの汗を吸い取り、裾さばきを良くする効果があります。
肌着は、着物の汚れを防ぐだけでなく、汗を吸い取ってくれることで、着心地を快適に保つ重要な役割を担っています。
夏用補整具で美しい着姿を
- メッシュ素材の補整具: 通気性の良いメッシュ素材の補整具は、夏でも蒸れにくく、快適に美しい着姿を保つことができます。
- 吸水速乾素材のタオル: 補整に使うタオルも、吸水速乾素材のものを選ぶと、汗をかいても不快感が少ないです。
5. ヘアスタイルにも涼感をプラス:かんざし・髪飾り

夏の着物スタイルでは、ヘアスタイルも涼しげにまとめたいもの。かんざしや髪飾りで季節感をプラスしましょう。
- ガラス製のかんざし: 涼しげなガラス製の簪は、光に当たるとキラキラと輝き、夏の夜にぴったりです。金魚や花火、水滴などをモチーフにしたものが人気です。
- とんぼ玉のかんざし: カラフルなとんぼ玉を使ったかんざしは、シンプルなアップスタイルに華やかさを添えてくれます。
- つまみ細工の髪飾り(夏柄): 朝顔や蓮、桔梗など、夏の花をモチーフにしたつまみ細工の髪飾りも素敵です。浴衣にもよく合います。
- 天然石やパールの髪飾り: 涼しげな天然石やパールを使った髪飾りは、上品な印象を与え、大人の夏の着物スタイルにぴったりです。
アップスタイルにすることで首元が涼しくなり、見た目もすっきりとします。
6. その他のあると便利な夏小物

- 手ぬぐい: 汗を拭いたり、首元に巻いたり、万能に使える手ぬぐいは、夏のマストアイテムです。夏らしい柄の手ぬぐいをいくつか持っていると便利です。
- 巾着・カゴバッグ: 夏らしい素材の巾着やカゴバッグは、着物姿をより一層引き立てます。麻や竹、籐などで作られたものは、見た目にも涼しげです。
- 日焼け止め・虫除け: 外出が多くなる夏は、日焼け止めや虫除けスプレーも忘れずに。着物や肌に優しいタイプを選びましょう。
旬の小物で、夏の着物を心ゆくまで楽しむ
いかがでしたでしょうか? 夏の着物をもっと快適に、もっとおしゃれに楽しむための旬の小物をたくさんご紹介しました。
素材一つ、色一つで、着物姿の印象は大きく変わります。今年の夏は、これらの小物たちを上手に取り入れて、あなただけの涼やかで粋な夏の着物スタイルをぜひ楽しんでください。
呉服屋では、お客様一人ひとりに合わせた夏の着物スタイルをご提案しています。お悩みのことや、気になる小物がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。私たちと一緒に、最高の夏の思い出を作りましょう!