2022年4月3日

着物にシミ・黄変がついてしまったらどうしたらいい?

こんにちはいせや本店きものアフターケアー診断士の渡邉です。
今日はいい天気ですが、風がまだ冷たいです。
春はもう少しさきですかね・・・
花粉症の方にとってはつらい季節の到来です・・

さて
今回は着物のシミ・黄変(おうへん)についてお話させていただきます。
着物についたシミと黄変では処理方法がちがうため、処理にかかる金額も変わる事ご存知でしょうか。

着物に付いたシミ・汚れは、時間が経てば経つほど繊維に強く絡みついて取れにくくなっていきます。
もし着物にシミがついてしまったら焦らず、手でこすって無理に取ろうとしてしまったり、水で濡らしてみたりしまいがちですが、洋服と同じ感覚で処理しようとすると生地を傷め たり、汚れを広げたりして悪化させる可能性が高まりますので、絶対にやめてください。
基本的に、あまり積極的に自己処理せず着物専門店にクリーニングに出すことをお勧めいたします。

 

【黄変(おうへん)てなに?】

それでは黄変についてお話させていただきます。
皆様、着物に覚えのない黄色いシミが現れたことがありませんか。
一度しか着たことがない着物なのに((´;ω;`)
それは黄変(おうへん)かもしれません。
まずほとんどの方が聞きなれない言葉「黄変」(おうへん)、読んで字のごとく黄色に変わると書きます。
黄変とは白・薄い色の着物の一部もしくは全体が黄ばんでいる状態です。
黄変はシミや汚れを放置しておくと酸化という緩やかな燃焼のことで着物の
保存状態にもよりますが、早ければ3年~7年で着物に付いたシミ・汚れが黄変になります
悲しいことに黄変は洗ってもシミ抜きをしても落とせません。
黄変直しと言う作業が必要になります。

 

【シミ・黄変の原因】

まず、シミ・黄変・カビのほとんどが『湿気』が原因と言っても過言ではありません。
また目に見えるシミは皆さん丸洗い・シミ抜き等されますが、汗じみなど目に見えないシミの場合「一度しか着用してないから大丈夫かな」とそのままタンスにしまって数年後、シミやカビが発生して当社にお持ち込みされるお客様が非常に多いいようです。
丸洗いでお手入れをしたはずの着物が数年後には変色するトラブル、実は珍しくないです。

 

【黄変直しの料金】

付いたばかりのシミと比べて黄変直しは3~5倍の料金がかかります。理由として黄変は着物の生地を一度「漂白」「脱色」し、染料をかけなおして色をもどす「色掛け」の作業が必要になりますので、料金もシミ落としよりも高額になることがあります。
残念ながら一度黄変になった着物はご自分で直すことは不可能です。

 

【長期保管の前には】

「汗抜き」が安心です。
お客様から「この着物当分着ない」「振袖・留袖・喪服なかなか着る機会がない」しばらくタンスにしまうこの様な着物はどうしたらいいと問い合わせを受けます。
当社では保管の前に汗抜きをおすすめさせて頂きます。
汗抜きをきちんとしてから適切に保管すれば、数年後の着用時にも、変色の心配なくきれいにきものを着ることができます。

 

終わりに

着物・振袖のシミ抜きで大切なのは、何よりも「早く対処をする」ということ。
「薄いシミだから」「小さいシミだから」と放置すると、変色・黄変して取れなくなることも・・・
早め早めに対処をしましょう
着物クリーニング・素朴な疑問について何かお困りのことがございましたら、一度いせや呉服店までご相談ください。
それではまた

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