2022年2月21日

着物にアクセサリー・ジュエリーを合わせていいの?

2月も半ばを過ぎ、少しずつ春の足音が聞こえてきました。
体感としてはまだまだ寒い日が続きますが、春の訪れを心待ちにすると、何となく気持ちが明るくなります。
さて、今回は着物をお召しになる時の「アクセサリー・ジュエリー」についてお伝えいたします。

「着物にアクセサリーをつけてもいいのかしら?」と疑問をお持ちの方も多いと思います。
これが正解という答えはありませんが、ある程度決まっている「マナー」を知っていれば安心ですね。

 

 

「フォーマル着物」と「カジュアル着物」

最初に、着物は「フォーマル着物」と「カジュアル着物」に分けて考える必要があります。
「フォーマル着物」はいわゆる「礼装」と呼ばれる着物で、
留袖、振袖、訪問着、付け下げ、色無地などがこれにあたります。

 

結婚式や入学式・卒業式、七五三のお祝いなどの「フォーマルシーン」に着用します。
着用シーンや年齢・立場などに応じた格付けがあり、それぞれに着用ルール・マナーがあります。
地域によって慣習も異なりますので、不安な場合は着物に詳しい身近な方に相談するのが一番です。

 

 

 

一方、小紋に代表される「カジュアル着物」は、肩ひじをはらず、自由に楽しむことができます。

ただし、カジュアル着物をお召しになるシーンでも、
同席する方が不快に思われることがないように配慮する必要はあります。
例えばカジュアルなお食事会などでも、ご年配の方がいらっしゃる場合には、
伝統や慣習を意識した装いを心がけたほうが良さそうです。

 

気の置けないお友達どうしなら、普段の洋服に近い感覚で、着物の自由な着こなしを楽しむことができます。
「フォーマル着物」と「カジュアル着物」をはっきり意識してメリハリをつけると、
着物ライフはもっと自由に楽しくなりますよ!

 

 

 

アクセサリー・ジュエリーについてのマナー

■フォーマル着物には原則として「つけない」

指輪やピアス、ネックレス、腕時計などのアクセサリー・ジュエリー類は、
フォーマルシーンでは原則として身に着けません。
留袖、振袖、訪問着、付け下げ、色無地着物をフォーマルな場でお召しになる時には、
宝飾品はつけないようにしましょう。

フォーマル着物においても例外的に身に着けてよいとされているのが、結婚指輪など平たい形状の指輪です。
このほかは、基本的に櫛や簪など髪飾り以外のアクセサリー・ジュエリーはつけません。
ただし、訪問着・付け下げ、色無地着物は、帯合わせなどで「カジュアルダウン」も可能です。
カジュアルシーンで着る場合には、着物とのバランスに気を付けながらアクセサリーを楽しむことができます。

 

■カジュアル着物に合わせられるアクセサリーは?

フォーマル着物とは異なり、カジュアル着物なら、自由な着こなしを楽しむことができます。
アクセサリーは現代女性にとって、身近な存在になっています。お気に入りのジュエリーはいつでも身に着けていたいですよね。
といっても、素敵な「和の装い」のためには、アクセサリー選びにもちょっとしたコツがあります。

 

 

アクセサリーごとのマナーと楽しみ方

■指輪

カジュアル着物には指輪をつけても問題ありませんが、
爪があるタイプの指輪は、着物にひっかけてしまうおそれもありますので、なるべく避けたほうが無難です。

 

 

■腕時計やブレスレット

身体の一部のように「腕時計」を身に着けている方も多いですが、
着物の袖口からのぞく腕時計やブレスレットはあまり美しくありません。
フォーマル着物の場合には腕時計・ブレスレットは原則としてつけません。
カジュアル着物でも、金具などをひっかけて着物を傷つける場合がありますので、
できれば避けたほうがよさそうです。
もしつけるなら、細身であまり目立たないタイプの物がおすすめです。

 

 

■ネックレス

ネックレスも和装との相性がよくありません。
着物姿は、すっきりと開いた襟元がとても魅力的です。
ネックレスは美しい襟元の邪魔になりますので、避けたほうがよいでしょう。
フォーマル着物はもちろんのこと、カジュアル着物にもおすすめできません。
着物の襟まわりのおしゃれとしては、半襟にこだわるのが一番です!
半襟はカラーも豊富で、刺繍入りの物や美しい染め模様の入った物など、
お出かけのテーマや季節に合わせて選ぶ楽しみがあります。

 

 

■ピアスやイヤリング

原則としてカジュアルシーンに限られますが、着物姿に小粒のピアスなどを合わせる方が増えています。
小さな宝石やパールのピアス・イヤリングは和装にもよく似合いますね!
大ぶりな物や揺れるタイプのピアス・イヤリングは、
美しい着こなしの邪魔になる場合もありますので、着物のデザインとのバランスに気を付けて楽しんでください。

 

■帯留め

着物のアクセサリーというと「帯留め」を思い浮かべますが、
留袖などの礼装には原則として帯留めをつけません。
ただし、同世代で楽しむイベントである「成人式」の振袖や、
パーティーなどカジュアルな場で着る訪問着などには、帯留めをつけて大丈夫です。

小紋のようなカジュアル着物の場合には、帯留めは最も合わせやすく楽しみの多いアクセサリーです。
宝石や彫金などの高級な帯留めから、もっと気軽につけられる物まで様々な帯留めがあります。
ブローチと併用できるタイプの帯留めも人気です。
また、専用の「帯留め金具」を使って、箸置きや着物・帯地のはぎれなどで簡単に手作りすることもできますよ!

 

 

■根付

和のアクセサリーとしては「根付」もよく知られています。彫金細工やガラス細工など凝った造りの物も多く、
装飾品の一つとして扱われます。
最近では、小さな板を帯に挟んで、帯飾りのようにする根付も人気です。
ジュエリーをあしらった高級感のある根付もありますが、帯留めと同様に、フォーマル着物には根付は使用しません。
訪問着や付け下げなどをカジュアルダウンして着用する場合には、根付をつけても問題ありません。

 

>>いせやの和装小物

 

 

いかがでしたか?
私(スタッフ高橋)は、帯留めの魅力にはまってしまい、無いと物足りなく感じるほどになってしまいました。
帯留めコレクターでもあった着物デザイナーの池田重子さん(故人)は、
帯留めは着物姿の「画竜点睛」とも表現されています。
このほかにも、カジュアル着物の場合には、
アクセサリーやネイルなどのおしゃれをとりいれると、着物ライフがもっと楽しくなりそうですね!

[いせやグループ 広報担当 高橋]

 

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