2022年10月30日
七五三のお祝い着の準備(肩揚げ・腰揚げ/必要なものリスト)子どもの健やかな成長を願う
こんにちは。
いせやスタッフのF です。
カラリと気持ちの良いお天気が続いていることもあり、
着物でお出かけされていらっしゃる方を多くお見かけしています。
神社のそばを通れば、可愛らしい七五三のお子様を囲んで
なんとも嬉しそうな笑顔のご家族にも出会えます。
毎年のことながら、微笑ましい光景ですね。
ということで、今回は七五三のお祝い着について、お話しさせていただきます。
年齢に合わせて変わる衣装の意味
はじまりは、平安時代からの儀式
人生の通過儀礼の一つ「七五三」。
その名の通り、三歳、五歳、七歳のタイミングで、
ここまで無事に育ってくれた子どもの成長を祝うために、
神社へ詣り、神様へ感謝を伝える儀礼です。
それぞれの年齢ごとに下記のような由来、意味があります。
赤ちゃんから幼児へ成長
三歳/「髪置きの儀(かみおきのぎ)」
平安時代末期頃から、「丸剃りは三年続けると丈夫なる」といわれ、赤ちゃんの左右の産毛を少しずつ残して剃り続けた風習がありました。そして無事に三歳になると、長寿の人が「髪置親」として、真綿の白い帽子を被せてあげます。それには「白髪になるまで長生きしますように」という祈りが込められているのです。
袴を着けられるほどまでに成長した男児の祝い
五歳/「着袴の儀(ちゃっこのぎ)」
江戸時代の公家の儀式「袴着(はかまぎ)」が、江戸時代の武家に「着袴の儀」として受け継がれたもので、足腰が袴を着けられるほどまで無事に成長しましたと、お披露目をしました。
三歳から伸ばした髪を切り揃え、左脚から袴を着け、双刀を持たせていました。
帯を締められるほどに成長した女児の祝い
七歳/「帯解きの儀(おびときのぎ)」
身体が小さいうちは、重い帯は締めず、着物に縫い付けられた紐でくるりと結んで着物をとめていました。身体がしっかりしてくる七歳になったところで、帯を巻けるまで成長したことを祝い、初めて帯を締めます。男児の着袴の儀に対して、女児が行う儀式です。
「帯直(おびなおし)」「帯切」「紐解き」「紐落」などともいわれていきました。
衣装が、三歳、五歳、七歳と年齢によって異なるのは、上記のような意味が含まれていたからだったのですね。
さらなる成長を祈って
肩揚げ(かたあげ)、腰揚げ(こしあげ)のかわいらしさ
ある程度の大きさで仕立てられた祝い着。実際に着るときに、お子様の成長具合にぴたりと合わせてサイズを調整します。
「肩揚げ」
腕の長さで変わる「裄丈(ゆきたけ)」を合わせるためにする「肩揚げ」。
三歳、五歳、七歳ともに揚げます。
「腰揚げ」
身長で変わる「着丈」を合わせるための「腰揚げ」は三歳だけ。
五歳は袴を付けるため、長いまま着て、背中心ではしょって帯にからげておきます。
七歳は、大人と同じようにおはしょりをして着付けます。
寸法により、「袖揚げ(振袖の袖丈を調節)」「羽織揚げ(五歳羽織の着丈を揚げる)」ことが必要になる場合もあります。
まれに、お子様の成長が早くてサイズがだいたい合ってしまったため、「肩揚げをしなくてもそのまま着られるからいいかな」と言われることがあります。
けれど、この「揚げ」には、「これからまだまだ成長していくんだよ」という、これからの成長を祈る意味と、
大きい衣装を頑張って着ている愛らしさ、この瞬間のために親御さんが調整してくれた愛情が感じられる子供らしさの象徴でもあるため、
1㎝でも揚げてあげたいものです。
お子様は、あっという間に急成長することもしばしば。
実際の着用の数週間前程度にサイズを確認しておくことを、おすすめいたします。
髪飾りも忘れずに
【必要なものリスト】
年齢によって衣装が異なる七五三。主に、下記が必要となります。
三歳
・着物 |
五歳
・着物 ・羽織、羽織紐 ・帯(角帯/袴とセットが多い) ・袴 ・長襦袢 ・肌着、ステテコ ・足袋 ・履物 ・白扇 |
七歳
・着物 ・帯(子供用袋帯) ・しごき ・帯揚、帯締 ・筥迫、扇子 ・長襦袢 ・肌着、裾除け(あるいは着物スリップ) ・足袋 ・履物、バッグ、髪飾り |
*上記他に別途、補正用タオルや紐類などの着付け道具
一般的には、三歳と七歳が女児の祝い、五歳が男児の祝いとされていますが、男児が三歳でも祝うことも多くみられますし、ご兄妹の七五三に合わせて、他のお子様や親御さんも一緒に着物を着て、家族写真を撮りたい、などのご要望も増えています。
また、お宮詣の祝い着から三歳、五歳へのお直し、あるいは大人の着物から七歳の祝い着へのリメイクなども可能です。
「ママ振袖」ならぬ「ママ七五三」「パパ七五三」もご相談承ります。
シミ抜きやクリーニング、寸法直しなどが必要となる場合が多いので、お早めに一度ご相談ください。
いせや呉服店では、お子様のお衣装に関するさまざまなご相談、お世話をさせていただきます。
お宮詣、七五三、十三詣など、ぜひご来店ください。
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