振袖の身のこなし方
ぐっと上品
すてきに見える所作
振袖を着たら、立ち居振る舞いもちょっと優雅に。美しい着姿に正しい所作で、魅力アップです。
正しい所作は見ていて美しいだけでなく、着物の汚れ防止や着崩れ防止にも役立ちます。
– 移動 –
歩く
歩幅は足のサイズを目安に。すり足気味に歩くときれいです。足先をまっすぐに前に出しますが、このとき、背筋を伸ばし、あごを引き、頭の上から吊られているような気持ちでゆっくりと歩きます。視線は少し先を見るようにしましょう。
階段の上り下り
袂を踏まないように、袂を重ねて左腕にかけます。上前を右手で軽く持ち上げ裾を踏まないようにして移動します。このときふくらはぎが見えないようにします。階段に対して身体を斜めにし、足元に視線を向けてゆっくりと行動します。
車に乗る
手荷物を先に車内に入れ、袂を両手で持って最初にお尻をシートに乗せます。頭をぶつけないように車に乗り込んだ後、身体を90度回転させます。シートには浅く腰をかけ、帯をつぶさないようにします。
電車に乗る
高く手を上げなくてはならないつり革ではなく、手すりを活用しましょう。手を上に上げるときは腕が丸見えにならないように、上げた手の袖口に反対の手を添え、さりげなく押さえます。
バッグを持つ
手荷物は指を揃えて軽く握り、体側で持ちます。振袖で持つバッグは小さく、凝ったもの。アクセサリーのような感覚で持つのが正解です。腕にはかけません。サブバッグを持つ場合も同様で、両手に持たず、バッグと合わせて軽やかに持ちます。
室内に入る
草履を脱いで室内に上がるときは、正面を向いたまま脱いで上がり、くるりと後ろを向いてしゃがんで草履の向きを揃えます。入り口で体を後ろ向きにして草履を脱がないうように注意しましょう。
– 化粧室 –
手を洗う
振袖を濡らしたり、洗面ボウルに袖口がついたりするのをさけるため、袖口を折り返してから手を洗います。事前にハンカチを襟元にはさんでおけば、濡れた手で着物を汚すこともありません。
トイレ
洋式トイレで個室が広いタイプを選びましょう。袂をクリップで帯にはさみ、裾も振袖、長襦袢、裾除けの順でめくりあげてはさみ込みます。
終わったらはさみ込んでいたものを裾除け、長襦袢、振袖の順に下ろします。裾が元通りになっているか、おはしょりがきれいに整っているかを確認します。
個室の外に出たら、全体の着姿を確認します。
– 食事 –
椅子に座る
帯が背もたれに当たって崩れないように、浅めに腰掛けます。袂は重ねてきれいに折りたたみ、膝の上に置きます。
洋食
ナプキンの端を襟元にはさみこみます。ナプキンを広げて胸元から下を覆います。乾杯などで配られるグラスの飲み物は水滴が落ちるとシミになるので、紙ナプキンなどで包んで持ちましょう。
食事の際は、通常のテーブルマナーと同じです。皿を取る時は空いた手で袂を押さえるのですが、取れないところに調味料があった場合は声をかけて取ってもらいます。
和食
ナプキンを襟元にはさみ込むのは洋食と同じです。テーブルマナーも通常と同じですが、和食の場合、汁が垂れないよう、小皿の料理は皿ごと持ち上げるようにします。洋食でも同じですが、香りの強い香水はお料理の味を台無しにするのでNGです。
– ちょっとした所作で、ぐっと上品 –
スマホで電話をかける
指を揃えて携帯電話を持ちます。手を上げると二の腕が見えてしまうので、反対の手で袖を軽く押さえます。立っている場合は足を揃えることにも注意。
写真撮影
振袖をよりきれいに見せるため、ほんの少し左を前にします。まず足を揃えて立ってから右足を15㎝くらい引く気持ちがいいでしょう。手を揃え、指もきれいに揃えます。指は組まないほうが上品に見えます。