［知っ得Weekly］「紋付袴」と「卒業袴」、何が違うの？意外と知らない袴の豆知識　東松山店

お客様から「卒業式の紋付袴を借りたい」とご相談を受けることがあります。しかし、女性の皆さんが卒業式で着る、あの華やかな袴姿は、厳密には「紋付袴」ではありません。

では、一体なにが違うのでしょうか？

簡単に言えば、「紋付袴」は男性の正装、「卒業袴」は女性の式服として、それぞれ異なる歴史と役割を持っているのです。

今回は、この２つの袴の違いを分かりやすく解説し、あなたの卒業式準備をサポートいたします。

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１．紋付袴（もんつきはかま）：男性の第一礼装

紋付袴は、日本の男性が着る和装の中で、最も格式の高い「第一礼装」とされています。

[特徴]

・家紋の存在：「紋付」という名前の通り、着物と羽織に家紋が入っているのが最大のポイントです。最も格式が高いのは、背中・両胸・両袖の合計5か所に紋を入れた「五つ紋」です。

・決まった色と柄：最も格式の高い紋付袴は着物と羽織が黒色で、袴は「仙台平(せんだいひら)」と呼ばれる、縞模様の生地を使用するのが基本です。

・用途：結婚式での新郎や、成人式、式典など、極めて格式高い正式な場で着用されます。

つまり、紋付袴は、家紋という家柄を示すものを身に着け、その人の品格や威厳を表すための装いと言えるでしょう。

２．卒業袴（そつぎょうはかま）：女性の「学びの象徴」

女性が卒業式で着る袴姿は、正式には「卒業袴」と呼ばれます。これは、明治時代に女学校の制服として袴が採用されたことに由来します。当時の女学生にとって袴は知性と品格を象徴する、特別な装いでした。

[特徴]

・着物と袴の組み合わせ：卒業袴は、着物と袴を上下で組み合わせたスタイルです。

＜着物＞振袖や袖が短い「二尺袖（にしゃくそで）」を合わせることが一般的です。

＜袴＞「行灯袴（あんどんばかま）」という、スカートのように股の部分が分かれていないタイプが主流です。

・色と柄の自由度；紋付袴と違い、色や柄の決まりはありません。鮮やかな古典柄や、モダンなデザイン、可愛らしいレースなど、バリエーションが非常に豊富です。

・用途：卒業式や謝恩会、そして最近では先生方が式典で着用することも増えています。

卒業袴は、「知性あふれる女性の象徴」として、お祝いの気持ちを華やかに表現する装いなのです。

３．紋付袴と卒業式、３つの大きな違い

ここまでの内容を踏まえ、２つの袴の決定的な違いを３つのポイントに絞って整理してみましょう。

比較ポイント	紋付袴（男性の正装）	卒業袴（女性の式服）
用途・役割	冠婚葬祭などの 式典における 男性の第一礼装。	卒業式、成人式など の 式典における 女性の正装。
家紋	五つ紋が基本。背中に一つ、両胸と両袖にそれぞれ一つずつ、合計五つの家紋が施される。	家紋は入れないのが一般的。振袖や二尺袖など、着物の柄を重視する。
袴の形	馬乗り袴と呼ばれる、 ズボンのように筒状に 分かれているのが主流。	行燈袴（あんどんはかま） と呼ばれる、スカート状で 筒状に分かれていないのが主流。
着物	黒紋付（くろもんつき） と呼ばれる、黒無地の 羽二重（はぶたえ）の 着物を着用するのが正式。	振袖や二尺袖（にしゃくそで） と呼ばれる、袖の長い 着物を合わせる。
見た目の特徴	全体的に黒を基調とし、 家紋が白く浮かび上がる シンプルで格式高い印象。	着物や帯、袴に多色使いの 華やかな柄や刺繍が施され、 明るく華やかな印象。

このように、紋付袴と卒業式は見た目も役割もまったく違うものなのです。

お客様が「卒業式の袴」と一言でおっしゃっても、私たちはその言葉の裏にある「どんな袴姿にしたいか」という想いを汲み取り、ぴったりの一着をご提案しています。

いかがだったでしょうか。

紋付袴と卒業袴の違い、お分かりいただけたでしょうか。

当店では、伝統的な古典柄から、トレンドを取り入れたモダンなデザインまで、幅広い種類の卒業袴をご用意しています。あなたの晴れの日を彩る、とっておきの一着を見つけるお手伝いをさせてください。

いせや東松山店では広々とした駐車場も完備しておりますので、お車でのご来店もスムーズです。

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